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栃木県

にっこうゆもとおんせん・にっこうざんゆもとおんせんじ

日光湯元温泉・日光山湯元温泉寺

思わず瞑想、ありがた〜いお寺の温泉
日光湯元温泉は、勝道上人が延暦7年(788年)に発見し薬師湯として温泉寺を建立したのが始まりといわれ、長い歴史のある温泉地です。温泉寺はその後、途絶えてしまいましたが、昭和48年(1973年)に日光山輪王寺が別院として再建して日光山湯元温泉寺が出来ました。御本尊の薬師如来が祀られている薬師堂は、庫裏に源泉がひかれた湯舟を持つ、国内でも珍しいお寺として有名です。この湯舟は一般にも開放しており参詣者が温泉を楽しむことができます。温泉寺は源泉の湧き出る湯ノ平湿原のすぐ近くにあります。境内は燈篭がズラリと沢山並んでいて、霊験あらたかな雰囲気がありました。温泉寺は一般に温泉を開放しているとはいえ、見た目はごく普通のお寺でとてもひっそりとした空気に包まれていました。入浴を請うて受付をすると館内は赤い絨毯が敷かれています。奥に進むと入口に薬師湯と書かれた扉があり手前が男湯、奥が女湯になっていました。とても小さな浴場で、脱衣所は棚があるだけの簡素なものです。一応洗面台もありました。浴室も小ぢんまりとしていて御影石の壁に木造の梁が剥き出しの屋根に覆われた質素な雰囲気です。湯舟は総檜造りだそうで、大人が2〜3名でいっぱいぐらいの小さなものです。湯は奥のパイプからトロトロと流れ注がれています。注がれている湯はほとんど無色透明でしたが、湯舟では青白く濁っていて透明度は10センチほどで、硫化水素の臭いがプンプンと漂っていました。浴室全体では酸性湯特有のすっぱい臭いが充満していました。注がれる湯はけっこう熱く、同時に水で薄められています。それでもわりと湯舟では熱く、さっぱりとした熱さが味わえます。湯の中にはとき玉子のような湯の華も舞っていました。湯舟が小さいので体を沈めると豪快にザバーッと湯が溢れ出ます。床にはスノコが敷いてあるのですが、そこは湯の華が堆積していて黄色に染まっていました。それにしても本当に静かな場所です。湯がトロトロと流れる音以外は、遠くで猿の喧嘩する泣き声が聞こえる程度です。観光地でありながらも日光湯元はやはり山の中なのだなぁと感じます。湯上りには休憩所でお茶とお茶請けを頂くことが出来ます。湯から上がると一人分のお茶請けが用意されていて入浴料の領収書が添えられていました。お茶はセルフでいただけます。静寂に包まれながらお茶をすすっていると、時計の時を刻む音だけが響いています。こんなに時間がゆっくりと流れているのを感じるのは久々で、優雅な時間を過ごすことができました。
掲載: 2006/01/29
Data
  1. 所在地:栃木県日光市湯元
  2. 源泉名:営林署源泉
  3. 入浴 :2004年6月
  4. 泉質 :含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
    (硫化水素型)
  5. 泉温 :源泉69.8度
  6. 湧出量:毎分263リットル
  7. PH :6.2
  8. 蒸発残留物:1085.3mg/kg
  9. 形態 :寺院 男女別
  10. 効能 :高血圧症、動脈硬化症、末梢循環障害、リウマチ性疾患など
  11. 露天風呂:なし
  12. 開放度:
  13. 清潔度:☆☆
  14. 気軽度:☆
  15. 穴場度:☆☆
  16. 鄙び度:☆
  17. 秘湯度:☆☆☆
  18. 素朴度:☆☆☆
  19. 異色度:☆☆☆☆
  20. 景色 :
  21. 総合評価:☆☆☆