1. トップページ
  2. 温泉天國のススメ
  3. 日光湯元温泉・はるにれの湯

栃木県

にっこうゆもとおんせん・はるにれのゆ

日光湯元温泉・はるにれの湯

温泉浴と森林浴の融合
日光湯元温泉は、湯ノ湖の湖畔に湧く自然豊かな山奥の温泉です。歴史的にも古い温泉で、勝道上人が延暦7年(788年)に発見し薬師湯として温泉寺を建立したのが始まりといわれています。「はるにれの湯」は、日光湯元観光センターに併設する温泉施設です。観光センターということで立派な施設を想像しがちですが、これがまた少し鄙びた雰囲気です。山小屋売店のようなちょっと雑多な感じの土産物屋といったところでしょうか。けっこうくたびれた雰囲気がありましたが、中に入るとレンタルスキーの板などが沢山並んでいるところをみると、スキーシーズンにはそれなりに人が来るのかもしれませんね。季節外れだったこともあり、とても寂しい感じでした。まずはその土産物屋で料金を払って中へと入ります。レンタルスキー板の並んだ廊下を抜けて建物を出ると向かいに湯小屋があります。手前に男湯の入口、左奥に女湯の入口がありました。こちらの建物は木造平屋で、鄙びた感じとは少し違う素朴な雰囲気がありました。脱衣所はけっこう広めで奥には棚があり手前側に有料のコインロッカーがありました。浴室の扉を開けると目の前には大きめの湯舟と奥にずっと続く森が見えます。「はるにれ」とは、ニレ科の落葉高木で高さが30メートルにも成長するという巨木で、その林の中にあるので「はるにれの湯」と名づけられたようです。浴室は天井の低い白い壁で、とても殺風景なので穴倉のように閉鎖的な感じもありますが、正面には窓も壁もまるっきりないので開放的な要素もあり、半露天風呂といった感じです。湯舟は石とコンクリートで固められた手作り感のあるゴツゴツとした物で浴室のほとんどを占めています。入口脇には申し訳ない程度に狭い洗い場がありました。湯は青白く濁っていて透明度は15センチほどしかありません。湯舟の底は手前側が浅く、奥に行くと深くなって段差になっているので、注意しながら入りましょう。角のパイプの湯口からは無色透明の熱めの湯がトロトロと流れています。硫黄泉の臭いがプンプンと漂っていました。湯舟から外を眺めると森林が広がっていて、これは本当に開放的な気分です。入浴をしているのに気分は森林浴といった不思議な感覚に包まれます。あまりに開放的なので覗かれやしないかと心配になりそうですが、林はずっと続いているし、何よりも目の前には犬小屋があって番犬の役割もしているようです。林の奥には温泉寺も見えました。浴室の脱衣所側壁には「白根山系の天然水」と書かれた水も流れていました。浴びるには冷たすぎるぐらいの冷水ですが、火照った体を冷ますにはいいかもしれません。それにしてもこの佇まいは只者ではありません。この鄙びといい、穴倉的な開放感(?)といい、お湯の良さといい、とても気に入りました。人もほとんど来なかったのでのんびりと浸かって、大満足の温泉でした。
掲載: 2006/01/29
Data
  1. 所在地:栃木県日光市湯元
  2. 源泉名:営林署源泉
  3. 入浴 :2004年6月
  4. 泉質 :含硫黄−カルシウム・ナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩泉
    (硫化水素型)(中性低張性高温泉)
  5. 泉温 :源泉69.8度
  6. 湧出量:毎分263リットル
  7. PH :6.13
  8. 蒸発残留物:1085.3mg/kg
  9. 形態 :日帰り温泉施設 男女別
  10. 効能 :動脈硬化症、糖尿病、リュマチ性疾患、ニキビ、運動障害など
  11. 露天風呂:窓がないので半露天風呂状態
  12. 脱衣所:あり
  13. 開放度:☆☆☆
  14. 清潔度:☆
  15. 気軽度:☆☆
  16. 野趣度:☆☆☆
  17. 鄙び度:☆☆☆☆
  18. 秘湯度:☆☆☆
  19. 異色度:☆☆☆
  20. 人気度:☆☆☆
  21. 景色 :☆☆☆
  22. 総合評価:☆☆☆☆