徳島県
せんばおんせん・ほてるせんば
千羽温泉・ホテル千羽
弘法大師ゆかりの霊泉
「千羽温泉 ホテル千羽」は、徳島県の太平洋側、国道55号線沿いにあります。四国霊場八十八ヶ所、22番薬王寺のすぐ近くに建っているのでわかりやすいところです。千羽温泉は以前は薬王寺温泉と呼ばれていました。そのいわれは弘仁6年(815)弘法大師が薬王寺を開基した際に、麓から湧き出る霊水を発見し、諸病に効果があると広めたのが始まりだそうです。現在のホテルは昭和43年(1968)に開業したものですが、とても歴史の長い温泉なのです。ホテルは手前に土産物屋や食道が併設されている大きなホテルで、浴室は1階にあります。外来入浴の際には入口の券売機で入浴券を購入します。フロント脇を奥へと進み、休憩室を抜けていくと浴室がありました。脱衣所には棚にカゴが並んでいますが、鍵付きのロッカーも少しだけありました。浴室は内湯と露天風呂があります。内湯の扉を開けるといきなり硫化水素の臭いが鼻をついてきます。予期せぬ事態にびっくりしましたが、これほど濃い臭いのする温泉が徳島県にあったとはオドロキで、何だか嬉しくなりました。内湯は壁側にズラリと洗い場が並び、反対側に大きな半円形の湯舟と奥に小さめのジャグジー風呂がありました。洗い場にはシャンプーはなく、石鹸のみが用意されています。湯舟の湯はほとんど無色透明ですが、少しずつ湯が溢れていました。中央のライオンの頭の形をした湯口から湯舟へ注がれていますが、これはけっこう冷たい水でした。注ぎ口にゴミ取り用の網がかけられていることや、硫化水素の臭いがけっこう強いことから、これは源泉がそのまま利用されているようです。注がれているのは冷たいのですが湯舟の湯は温かいので、内部で循環しながら加熱しているのではないかと思われます。源泉をちょこっと口に含んでみると、薄いけどしっかりとした塩味を感じました。湯はすごくやわらかい感じで、しかもとても暖まります。ガラス窓の外は露天風呂があります。ちょっとした庭園の片隅に東屋のついた岩風呂がありました。小ぢんまりとしていて小さいのですが、庭の雰囲気や湯口の上にはアヒルの置物もあるなど湯舟の造りも良く、とても気持ちよく入浴することができました。ここは冷泉ですがこれほど特徴のある温泉がこの地域にあったとは驚きでした。徳島県の太平洋側はあまり目立った温泉地が無いので、けっこう重宝できそうです。それにしても弘法大師は温泉開発に関しても本当に偉大な人だと感じたのでした。
掲載: 2006/02/18
Data
- 所在地:徳島県海部郡日和佐町奥河内字寺前
- 源泉名:薬王寺温泉
- 入浴 :2004年8月
- 泉質 :単純硫化水素泉
- 泉温 :源泉17度
- 形態 :温泉ホテル 男女別
- 効能 :慢性関節リウマチ、慢性筋肉リウマチ、神経痛、慢性皮膚病などなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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