東京都
にったよくじょう
新田浴場
下町情緒と温泉銭湯
目蒲線武蔵新田駅から続く小さな商店街の中にある小さな温泉銭湯が新田浴場です。昔ながらの街並みや商店街が続く、どこか懐かしい雰囲気が漂っていました。浴場は白タイルのモダンな建物で、壁に人間のシルエットとバルーンのような吹き出しで「座風呂」「寝風呂」「打たせ湯」など浴場の紹介がされていたり、玄関の入口の看板は「湯・NITTA」とクサビ形文字のような崩したローマ字でカラフルに描かれているなど、一見するととても銭湯とは思えないようなモダンな雰囲気の浴場です。しかし下足箱は木札の鍵式で、館内に入るとフロント形式の受付が構えていて、ごく一般的な銭湯のスタイルでした。フロントの前には少し広めのロビーもあります。ロビーの奥は併設しているコインランドリーに繋がっていました。フロントで料金を払うと、そこに用意してある男女別の箱の中から脱衣所のロッカーキーを各自で持っていくシステムになっています。脱衣所は周りに木造ロッカーが並び、中央部はイスやテーブルなどの軽く休憩できるセットがあり、テレビを観ながら寛ぐことができます。浴場は白系のタイル張りですが、神殿風の柱や球体のオブジェ、凝った形の照明など洋風な造りになっていました。洗い場は出入り口の右脇にシャワーブースがあり、右側奥から正面奥、そして左奥まで取り囲むようにして並んでいます。湯舟は中央部と左手前側にあります。中央の湯舟は三つに区切られていて、手前が豪快なしぶきを上げるほどの気泡浴、中央が座椅子型のジェットバスが2基、奥は水風呂となっていました。これらはすべて無色透明の湯水です。左側の湯舟は、大小2つに区切られていて、大きめの手前側は黒湯を使った天然温泉浴槽で、奥は入浴剤を使用した漢方薬湯になっていました。黒湯は「海草風呂」と紹介されていました。説明によると数百万年前の地殻変動で当時の海藻・海草類が埋没して生成されたものとあります。なるほど、それで海草風呂なのですね。透明度は15〜20センチほどのほうじ茶のような焦げ茶色をしたとても濃い湯で、わりとサッパリとした湯です。脇のカランからはひねると冷たい源泉らしき水も出てきます。口に含んでみるとほうじ茶と麦茶を足して薄くしたような後味を微妙に感じます。一言で表現すると薄く甘苦いといった感じです。海草風呂だからといってワカメスープのような味ではないのでした。薬湯の方は漢方の宝寿湯になっています。いかにも入浴剤を入れてあるといった感じの派手な色で、ブルーハワイのような透き通った綺麗な青色で、ラベンダーとカモミールの香りを楽しむことができます。説明はハメコミ式になっていたので、定期的に内容が替わるのかもしれません。少しぬる目になっていて、リラックスしながら楽しむことができました。浴室の右奥には狭い出入り口のサウナもありましたが、中はわりと広めでした。常連さんはみんなサウナが好きなようで、何度も出たり入ったりを繰り返していました。雰囲気や設備などがしっかりとしているのに、通常の銭湯の料金で利用できるので、とても重宝できる浴場です。
掲載: 2006/04/09
Data
- 所在地:東京都大田区矢口
- 入浴 :2006年4月
- 泉質 :黒湯
- 掘削深度:150メートル
- 形態 :温泉銭湯 男女別
- 効能 :胃弱体質、神経痛、リュウマチ、足腰の冷え、創傷など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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