東京都
うのきてんねんおんせん・だいさんまつのゆ
鵜の木天然温泉・第三松の湯
昔ながらの素朴な温泉銭湯
東急多摩川線鵜の木駅から徒歩4分ほどの、住宅街の中にある温泉銭湯です。今どき珍しい破風造りの瓦屋根の玄関が、移り行く時代から取り残された感じがしていてレトロなムードがありました。静かな街並みにすっかり溶け込んでしまっている昔ながらの温泉銭湯なのです。とても小ぢんまりとした銭湯で、玄関は右が傘入れ、左が下足箱になっていました。入口は少々狭い感じがあります。扉は自動ドアになっていて、入るとすぐ正面が受付です。右が女湯で左が男湯になっていました。脱衣所に入ると左手にコインランドリーと涼み所のある中庭があり、右手には木造の脱衣所ロッカーが並びます。昔ながらの格子天井が高くて、わりと広々とした印象をうけました。中央に柱に掛けられた大きな古ぼけた柱時計は、壊れているのか動いていませんでしたが、それがまたとても味のあるようにも思えました。その他にも年季の入った体重計やベンチなど、レトロなアイテムが沢山あります。壁には温泉分析表も掲げられていました。鵜の木天然温泉という銭湯らしからぬかっこいい名前が付けられています。浴室は一般的なタイル張りで、手前に洗い場が並び、奥の壁に湯舟が構えています。壁は富士山と本栖湖が大きく描かれているペンキ画で、まさに銭湯の王道を行っています。わりと小ぢんまりとした浴場ですが、淡いブルーの天井も高くけっして狭苦しさは感じません。入口脇にはシャワーと水風呂、そしてサウナがあります。水風呂は1.5人用ぐらいの小さなものですが、真っ黒な水が入っています。東京名物の黒湯がそのまま引かれているようです。奥の湯舟は三つに区切られ、一番右だけが黒湯で中央と左端は無色透明の湯が使われていました。黒湯はポコポコと気泡の出る湯舟で、水風呂と同じようにとても濃い真っ黒な湯が使われています。透明度は5センチほどで、濃い麦茶のような色をしていました。そしてこれがまたそうとう熱いです。しばらく入っていると額から汗が玉のように噴き出してくるほどです。温度は45度以上ありました。でもサッパリとした熱さなので、慣れてくるとけっこう心地くもなってきます。深さも90センチぐらいありました。中央の湯舟は細かな泡のバブルバスになっていて水枕もついています。黒湯よりぬる目なのでとても入りやすいです。左端は少し広めの湯舟で、これも少々ぬる目になっています。黒湯はすぐに茹ってしまいますが、水風呂で体を冷ましてから入ると、体がキュッと締まるような感じでとても気持ちがいいです。脇のカランをひねると源泉らしき水も出てきて、モール臭のような臭いがありました。口に含んでみると甜茶のような微妙な甘さもありました。真っ黒いお湯に感動し、そのレトロな風格に驚く、昔ながらの温泉銭湯でした。
掲載: 2006/04/15
Data
- 所在地:東京都大田区鵜の木
- 源泉名:鵜の木天然温泉
- 入浴 :2006年4月
- 泉質 :重曹泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)
- 泉温 :源泉18度
- 湧出量:毎分270リットル
- 形態 :温泉銭湯 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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