福島県
いいざかおんせん・ほりえやりょかん
飯坂温泉・ほりえや旅館
レトロな木造建築が温かい
飯坂温泉は福島の奥座敷と呼ばれ、かつてはとても賑わった歓楽温泉街です。「ほりえや旅館」は温泉街の中心地である鯖湖湯のすぐ隣にあり、明治15年創業という和風旅館で、木造三階建ての古風な建物が目をひきます。浴室は大小２つありますが基本的には貸切利用ということで、入浴の際に扉に「男性入浴」「女性入浴」「貸切入浴」のいずれかの札を下げて利用します。浴室はそれぞれ内湯のみですが、鯖湖湯と同じ源泉を利用した100パーセント天然温泉です。まずは大きい方の浴室に入ってみました。脱衣所には棚にカゴが用意されただけのシンプルなものです。それほど広くはないですが、数人で利用する分には特に申し分ない広さです。ちょっと雑多に散らかっていたり、家庭的な雰囲気が随所に感じられますが、そこがまたアットホームな感じで肩がこらずに気軽に楽しめる魅力でもあるようです。ハンドタオルなども沢山用意されている点は気配りも感じられます。浴室は４〜５名ぐらい入れるホームベースのような形をした湯舟があり、基本的にはタイル張りのオーソドックスなタイプですが、木製のがっちりとした手すりもあってそれがワンポイントにもなっています。湯は角の湯口と、脇の係り湯の小さな浴槽の方からの２ヶ所から注がれています。飯坂温泉の湯は熱いことでも有名で、どこの共同浴場も加水なしでは入れないほどの高温ですが、ここでは湯量をチョロチョロと絞ることで加水なしで入ることができます。しかし、やはり源泉が熱いのでやはり温度は高めになっています。熱すぎる場合でも、掛け湯を何度も繰り返してから入ると不思議と入れちゃうものなので、熱いのが苦手な方もまずはこの方法をトライしてみるといいでしょう。浴室は小ぢんまりとしている内湯ということもありかなり蒸しているから、一度体が温まってしまうと汗が止まらなくなるので注意も必要です。浴室内にはボディソープやリンスインシャンプーなども並んでいます。湯は無色透明でほとんど無味無臭の単純温泉です。サラッとした熱さとサラリとした浴感が、浴後の爽快感を楽しませてくれるのも、飯坂温泉の特徴でもあるようです。小さい方の浴室も基本的に作りは同じです。２人ぐらいで利用するのが丁度いいようです。ちなみに宿や部屋は古風というより古びた感じもありますが、昔ながらの旅館建築ですごく落ち着きます。かつての田舎のおばあちゃん家を思い出すような懐かしい雰囲気で、けっこう好きなタイプです。また夕食時には若主人が最近始めたという三味線を披露してくれたりして、どこぞの高級料亭にでも来たような温かいもてなしを受けました。古き良き時代を家庭的な雰囲気で迎えてくれる心温まる宿でした。
掲載: 2006/06/03
Data
- 所在地:福島県福島市飯坂町字湯沢
- 源泉名:湯沢分湯槽
- 入浴 :２００６年５月
- 泉質 :単純温泉
- 泉温 :源泉51.0度
- ＰＨ :８．６
- 蒸発残留物:577.8mg/kg
- 形態 :温泉旅館 家族風呂
- 効能 :神経痛・筋肉痛・冷え性・疲労回復・健康増進など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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