山形県
あかゆおんせん・りょかんやまとや
赤湯温泉・旅館大和屋
烏帽子山公園を背に建つ老舗旅館
赤湯温泉は置賜地方の奥座敷と呼ばれる古くから伝わる温泉街です。開湯からも900年が経ち老舗温泉街として有名なところです。旅館大和屋は創業から200年という老舗旅館のひとつで、丹波湯共同浴場のすぐ裏にある和風旅館です。旅館のすぐ裏は小高い丘になった烏帽子山公園になっていて、春は1000本の桜が咲き乱れる花見の名所にもなっているところです。宿は鉄筋コンクリートの中規模程度の旅館で、浴室はフロント正面に男女ともありますが、平成18年に改装されたばかりでまだ真新しさを感じます。浴室は和風の岩風呂と、洋風のローマ風呂の2種類があり、時間帯によって男女が入れ替わるシステムになっていました。まずは岩風呂に入りました。脱衣所は籐の棚にカゴが並んだものと、広めの洗面台があります。わりとスッキリとしたシンプルなタイプです。浴室に入ると正面には洗い場があり、廻り込むように浴室は広がっています。浴室の床は御影石のタイルですが、湯舟は大きな岩でぐるりと囲んだものでした。浴室は内湯だけで、窓ガラスは全面に大きく開いたものですが、正面には巨石を配した小さな庭はあるもののその先に続く崖で見晴らしはよくありません。しかし、浴室はわりと広々としているので狭苦しさはまったくありませんでした。湯は奥の隅の湯口からトロトロと注がれ、手前側からそのまま溢れ出ています。加水せずそのまま掛け流しにされているようです。無色透明の湯はけっこう熱く、体にジーンとくるほどです。硫化水素のような臭いがあり、湯は透き通っているのですが、湯口の周りには白い繊維状の湯の華がついていました。湯を口に含んでみると卵スープのような風味と微妙な塩味を感じました。熱いのですぐに茹ってしまいます。次にローマ風呂に向かいました。フロント前の扉を開けるとそこから廊下が続き、その途中に入口があります。脱衣所は木造の棚の並んだものでした。浴室は床が薄いベージュ色の石タイルで、御影石の縁の湯舟、そして壁は大理石のタイルになっていて、シンプルでスッキリとしたタイプです。浴室の奥の角にはディスプレイケースに入った石膏像があったり、湯口の上にはビーナス像があり、これがローマ風呂の名前の由来のようです。しかし、これといって他に特徴はなく、シンプル過ぎてやや寂しさを感じました。湯舟は縦に長く、わりと広々としています。岩風呂と同じくとても熱い湯ですぐに茹ってしまいますが、サラッとした熱さなのでとても気持ちよく入浴ができました。
掲載: 2006/06/10
Data
- 所在地:山形県南陽市赤湯
- 入浴 :2006年5月
- 泉質 :含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
- 泉温 :源泉61.2度
- PH :7.5
- 蒸発残留物:2241mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :慢性皮膚病、慢性婦人病、切傷、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症など
- 露天風呂:な
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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