新潟県
にしだにこうせん・ちゅうせいかん
西谷鉱泉・中盛館
静養向けののんびりとした鉱泉宿
西谷鉱泉は長岡市の郊外にある静かで小さな温泉地です。数件の宿があるだけでとても地味なところですが、源泉である「西谷の湯」はけっこう古くから親しまれて湯治客で賑わった時代もあるようです。温泉の発見は約300年ほど前に傷ついた動物たちが体を癒していたところから見つけられたと伝えられているようです。虫刺されや蛇などの傷には特効性があるとの口コミで、親しまれていたようでした。中盛館はJR信越本線の塚山駅から徒歩で7〜8分ほどの交通の便が良いところにあります。交通の便が良いといってもまわりは住宅と田園の広がる長閑な地域です。中盛館は小さな旅館ですが、館内に入ると隅々まで小奇麗にされていてとても雰囲気のよい宿でした。部屋数もそれなりにありますが、料理にも定評があるようで宴会や寄り合いなどで利用されることも多いようです。廊下を奥へと進むとその先に浴場があります。浴場の前には2メートルぐらいある古ぼけた細長い額がありました。ペンキの剥がれかけたような古そうな額で、最初に「広告」と書かれていたので何かと思ったら温泉の効能書でした。日付は明治十年十一月二十日とあり、古くから伝わる温泉だということが記してありました。また、「マムシ、ドク虫にさされるに特効あり」の文句がとても目立っていました。この額以外にも、古い建物の写真や現在の温泉分析表、そして学童疎開の感謝状などがパネルや額で飾られていました。脱衣所は棚と洗面台があるだけのシンプルなものです。浴室もこざっぱりとしながらも手前に洗い場があり、奥に湯舟のある小ぢんまりとしたものです。浴室は内湯しかありません。洗い場は3つほど並んでいます。浴室は全体的に石タイルを基調としていて、変に飾ることもなく落ち着いて清潔的な雰囲気がありました。周りの雰囲気を見る限り、改築してそんなに月日は経っていないようで、新しさを感じました。湯舟はわりと広めで4〜5人はゆったり入れそうです。源泉は17度と低く湯舟では沸かして利用していることもあって、湯口からは熱い湯が注がれていますが湯舟の外へは溢れていません。湯舟の中にも吸入口と噴出口があったので循環されているようです。そこで気になったのが湯口の石です。湯の流れているところだけちょっと凸凹しているのです。温泉の成分が堆積しているのかと思ったら、どうやら逆に削れているようです。はじめからそうしているのか、それとも削られて(溶けて)しまったのかは不明です。湯は無色透明でほとんど無臭です。あまり目立った特長はありませんが、わりと柔らかい感触のような湯に感じました。
掲載: 2006/06/11
Data
- 所在地:新潟県長岡市西谷
- 源泉名:西谷の湯
- 入浴 :2006年5月
- 泉質 :硫黄泉
- 泉温 :源泉17度
- PH :8.2
- 形態 :鉱泉旅館 男女別
- 効能 :胃病、リウマチス、皮膚病、火傷、切り傷、痔病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆
- 素朴度:☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆
温泉レポートを検索