石川県
やましろおんせん・はとり
山代温泉・葉渡莉
名湯を味わう豪華で優雅な温泉宿
山代温泉は、1300年ほど前にカラスが湯溜まりで傷を癒していたのを行基という僧侶が発見したことが始まりと伝えられる歴史のある温泉地です。かつては前田藩の湯治場として栄え、現在では数々の旅館が建ち並ぶ、北陸を代表する観光温泉地として賑わっています。葉渡莉は温泉街の中ほどにある落ち着いた雰囲気の和風旅館です。玄関から中に入るとフロントと、広々としたロビーがあります。宿の方の対応も丁寧でとても気品が漂う粋な雰囲気でした。大浴場は男女ともに二箇所ずつあり、それぞれ趣向が異なっています。フロント正面の奥にあるのが、総檜造りの「九萬坊の湯」で、サウナや露天風呂もついています。売店を奥へと進んだ先の２階には石造りのジャグジー風呂のついた「お薬師の湯」があります。まずは「九萬坊の湯」から入りました。浴場の入り口前で履物を脱いで、男女別に別れます。男湯は「ちゃあちゃあ」、女湯は「にゃあにゃあ」という名前がつけられていました。なかなか変わったネーミングの風呂ですね。脱衣所に入るとまずはうずたかく積まれた沢山のタオルが目に付きます。入浴の度に乾いたタオルが使えるというのは心配りを感じさせてくれますね。棚にはカゴが並んだいたってシンプルな雰囲気ですが、脱衣所内にはマッサージ器や白山の天然水が用意されているなど、きめ細かなサービスが伺えます。浴室は石畳の床に檜の縁の大きな湯舟が中央にドンと構えています。内湯ながらも湯舟の上には切妻型の屋根がついていて、ライトアップされています。室内はその間接的な淡い光でやや薄暗いですが、その分落ち着いたムードが漂っていました。浴室内の石の床は肌触りもよく、素足で歩く感覚がとても気持ちいいです。また、全体的に広がる檜の質感とうまくコントラストがとれているようで高級感がありました。露天風呂はウッドデッキになっていて、円形の檜風呂があります。目の前はちょっとした庭園になっていて、山間の隠れ湯的な雰囲気が漂っていて、とても和らいだ気持ちになれます。湯舟はそれほど大きくはないので、体を沈めるとザザーッと豪快に湯が零れ落ちて痛快な気分を味わえました。湯はほとんど無色透明で見たところは何の変哲も無い湯ですが、肌に触れると微妙にツルツルと感じる滑らかな湯です。掛け流しではなく循環はされているようなので飲泉はできませんが、雰囲気が良くてとても気に入りました。続いては「お薬師の湯」に入ります。こちらの浴場は先ほどの浴場よりも少し小さめです。小さいといっても十分な広さはあります。浴室内は全体的に御影石を配した石造りで、すっきりとしたデザインです。正面は大きなガラス窓になっていて、ディスプレイされた小さな箱庭が見えますが、すぐに壁になっているので外の景色は見ることができません。しかし、うまい具合に外光も射し込むのでとても明るい雰囲気がありました。湯舟は広々としていて、その一角に八角形をした湯舟がありジャグジーバスになっています。ブクブクと泡に揉まれながら寛ぐことができました。また館内には貸切風呂の総ひのきの湯「くらかけの湯」と石造りの湯「まこもの湯」があります。宿は従業員の対応もよく、雰囲気もよく、とても居心地が良かったです。
掲載: 2006/06/18
Data
- 所在地:石川県加賀市山代温泉温泉通り
- 源泉名:７号源泉
- 入浴 :２００６年５月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)
- 泉温 :源泉45.9度
- 湧出量:毎分280リットル
- ＰＨ :８．７４
- 蒸発残留物:0.918g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :美肌・神経痛・冷え性・リウマチなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 優雅度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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