京都府
あらしやまおんせん・らんきょうかん
嵐山温泉・嵐峡館
まさに隠れ宿、静かに本物の和を楽しむ
京都の名勝のひとつ嵐山は平安時代に貴族たちの別荘地として栄えた街であり、現在では京都を代表する一大観光地として有名です。嵐山の中心地を流れる保津川(桂川・大堰川)には渡月橋という欄干が木造の風情ある橋が景勝地になっています。嵐峡館はその四季折々の彩りを楽しませてくれる嵐山の保津川沿いにある純和風旅館です。渡月橋の袂には別館があり、本館はその少し上流にあります。本館へは別館前から旅館専用の遊覧船に乗って8分ほど遡って向かいます。出航して間もなく緑豊かな渓谷に入り、この先に宿なんかあるのかと疑問に思うほど静かな景色が続きます。風光明媚な景色を楽しみつつ、ほどなくして船着場が見えてきました。船着場のすぐ上は宿が建っています。渓谷沿いにいくつかの宿泊棟がならび、客室からはその静かな風景を楽しみながら寛ぐことができます。浴場はフロント棟のすぐ先にあります。軒下に「大浴場」と書かれた看板があり、右手側が男湯と家族風呂、左手側に女湯の入口がありました。嵐山温泉は平成15年(2003年)に掘削されたばかりの新しい温泉ですが、古臭さのあるレトロな建物で、昔ながらの湯治宿といった雰囲気も漂っていました。脱衣所は少々小ぢんまりとした感じで、棚にはカゴがいくつか並んでいるだけのシンプルなものです。洗面台もやや小ぢんまりとしていますが、外観に比べとても綺麗で清潔的なイメージがあります。壁には温泉の効能が書かれている古ぼけた木造の額があり、いい雰囲気を出しています。浴室は内湯と露天風呂があり、浴室同士は繋がっていないのでそれぞれ脱衣所から向かいます。内湯は灰色の御影石の床と湯舟があり、全体的に小ぢんまりとしています。湯舟は大人が3〜4名ほどがゆったりと入れるぐらいの大きさで、角の石の下から湯が注がれています。ほとんど無色透明で臭いなどは感じませんが、肌に触れるとツルツル感があります。そのためか、浴室内の床はとても滑りやすくなっているので注意が必要です。露天風呂は内湯のすぐ外側の下にあり、木造の階段を下りて向かいます。こちらは岩風呂になっていてやはり3〜4名ほどがゆったりと入れる大きさです。わりと小ぢんまりとしていますが、すぐ目の前は嵐山の川面で、とても風情のあるお風呂です。季節によっては虫などもとても多いのは難点ですが、それだけ自然が豊かである証拠にもなっているので、野性派の人なら満足できることでしょう。また、ときおり野生の猿なども現れることがあるそうで、本当にここが観光地なのかとびっくりするほど自然が豊かなのです。対岸には保津峡へと向かう嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車も通過したりしますがきわめて静かな場所で、のんびりと嵐山の自然を堪能することができます。秘境の隠れ宿の雰囲気があり優雅に過ごすことができました。
掲載: 2006/06/24
Data
- 所在地:京都府京都市西京区嵐山元録山町
- 入浴 :2006年5月
- 泉質 :単純温泉(低張性弱アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉35.2度(湧出口)
- 湧出量:毎分81.0リットル
- 掘削深度:1,200メートル
- 形態 :観光温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛,筋肉痛,関節痛,五十肩,うちみ,慢性消化器病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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