千葉県
のこぎりやまかなやおんせん・かぢやりょかん
鋸山金谷温泉・かぢや旅館
海と温泉と新鮮な魚介類が自慢
三浦半島と房総半島を結ぶ東京湾フェリーの千葉県側にあるのが金谷港です。金谷港はすぐ後ろに鋸山という奇岩の続く巨大な岩山があり、絶景スポットとして人気のある観光地にもなっています。鋸山は江戸時代には石切場として栄えていて、切り出された石材は港から全国各地へと運ばれていました。金谷港周辺には往来する人々のための宿泊施設も数多く建てられ、金谷の町は繁栄していきました。かぢや旅館はもともと石職人の使う道具を造ったり修理したりしていたそうですが、安政元年(1854年)に旅館業に転業した老舗の旅館です。ネーミングの元はやはり「鍛治屋」なのでしょうね。旅館は国道から細い路地へと入ったところにあります。ちょっとわかりづらい場所ですが、看板もあるのでわかると思います。鉄筋のわりと大きな建物ですが、ちょっと年季も入ってきているようです。玄関を入るといきなり水槽が現れます。カニやエビが活きたまま入っています。この宿はエビやカニが名物となっているようです。フロントを過ぎるとロビーがありますが、一昔前のホテルといった雰囲気がありました。しかしとても人気があるようで、ロビーや廊下には沢山のサイン色紙が並んでいます。けっこう知っている名の芸能人やらスポーツ選手なども多いです。テレビでも度々紹介されているようです。浴室は館内の一番奥に位置しています。ロビーからは中央を貫く廊下をひたすら真っ直ぐに進んだところにあります。途中で大きな扉をあけると一旦屋外に出て渡り廊下になります。渡り廊下の両脇は池になっていました。池の先には湯小屋があり、男女別に入口が設けられていました。脱衣所には木造の鍵付きロッカーが並び、洗面台にはドライヤーや扇風機、ティッシュ、ヘアトニック、内線電話、花瓶などが雑多に並んだ雰囲気があり、共同浴場のような素朴な雰囲気がありました。浴室はわりと広々としていて、大きなガラス窓に囲まれているので内湯ながらもすっきりとしています。右側にはコの字型に洗い場が並び、左側にはひょうたんのような形の湯舟があります。男女を仕切る壁は岩壁になっていますが、その壁際に本当に小さな浴槽があり、壁の上からチョロチョロと流れる水が注がれていました。極々少量ずつ注がれていますが、そこは湯ではなく冷たい水風呂になっていました。無色透明でほとんど無臭、触感もほとんどないので単なる水なのでしょうかね。湯舟の湯はうすく黄色づいた湯が入っていました。奥にライオンの頭の湯口がありそこから注がれていますが、溢れることはなく循環式になっているようです。湯は微妙にツルツル感がありますが、全体的にサッパリとした印象です。若干の消毒臭を感じる以外に、気になる臭いなどはありませんでした。この浴室には南国風呂という名前がついていますが、湯舟の脇にゴムの木が少し覆いかぶさっている程度で、ちょっと拍子抜けする気もします。ガラス窓の外にはほとんど水の入っていない池らしき窪みがあり、カニが暮らしていました。その池の先は石塀で囲まれていて景色はよくありません。石塀はその質感から金谷石を使っているのかもしれません。古びた感じがいい味を出していました。また、浴室の角には小さいながらもサウナもありました。浴室は内湯のみですが、妙なワイルドさを感じ、南国ムードとまではいきませんが、のんびりとした気分で寛ぐことができました。
掲載: 2006/06/25
Data
- 所在地:千葉県富津市金谷
- 入浴 :2006年6月
- 泉質 :含沃素臭素重曹食塩泉
- 泉温 :源泉23.3度
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、痔疾など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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