宮城県
さわおとおんせん・うつみりょかん
沢乙温泉・内海旅館
常連客の多い、静かで落ち着いた温泉宿
2002年サッカー日韓ワールドカップの会場となったグランデ・21宮城スタジアムのすぐ近くに、古くから湯治場として地域住民に愛されている沢乙温泉があります。長閑な田園風景が広がる静かな場所に、ポツンと佇む小さな宿ですが、実に1200年以上の歴史がある古い温泉なのだそうです。温泉の発見は平安初期の延歴20年(801年)といわれ、坂上田村麻呂が蝦夷征伐の帰りに沢でくじいた足を癒したという伝説が残っているそうです。かつては湯治場として栄えた時期もあったそうですが、今では落ち着いた装いの旅館があるだけの静かな温泉地です。静かな場所にあるので小ぢんまりとした宿を予想していましたが、実際には鉄筋の大きくて新しい立派な旅館でした。改装をして新しくなってからあまり年月が経っていないようです。館内の一番奥に浴室があり、浴室へと向かう廊下の途中にある広間は、昼間は日帰り入浴の休憩所となっていました。浴場の男女別の暖簾をくぐると脱衣所があります。脱衣棚にはカゴが並び、床はタイルゴザが敷いてあります。壁から台までみんな木造で、木の香りが漂っていました。一部には貴重品用のロッカーもあります。壁には「沢乙温泉の由来」と書かれた額もありました。古めかしく漢字カナ混じりの文章だったのでちょっと読みづらかったですが、情緒がありますね。浴室はわりと小ぢんまりとしています。浴室の半分を占める大きめの湯舟とその反対側には洗い場が4つ並んでいました。湯は無色透明で少々ツルツル感のある柔らかい湯です。源泉は20度ほどという鉱泉ですが、沸かしているので湯舟ではちょっと熱めになっていました。湯舟の奥側には黒い大きな御影石が壁になっていて、その壁伝いに湯が落ちて流れ注いでいました。熱い湯が注がれているということもあってか内湯は少々蒸しています。外には露天風呂がありました。大きな屋根の付いた湯舟で、檜の風呂になっていました。女湯は岩風呂になっているようです。小ぢんまりとした雰囲気ですが5〜6名ほど入れる大きさです。せっかくの露天風呂ですが、四方を壁で囲まれていたのでちょっと景色は見えないようです。もう少し工夫をしてもらえると開放感が増していいと思うのですがね。露天は内湯に比べ少しぬる目なので、ゆっくりと入ることができました。塩素は投入していないと書いてあったので、味見をしてみましたが、ほとんど無味無臭でした。ただ1日1回の入れ替えであとは循環なので、基本的に飲泉はできないようです。あまり目立たない温泉宿ですが、けっこう人気があるようで常連らしき日帰り客が大勢いました。また、宿の雰囲気もすごくよかったので、宿泊でゆっくりするのもいいかもしれません。
掲載: 2006/07/02
Data
- 所在地:宮城県宮城郡利府町菅谷字明神沢
- 入浴 :2004年9月
- 泉質 :アルカリ性単純泉
- 泉温 :源泉20度
- PH :9.0
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、切り傷、やけど、五十肩など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 秘湯度:☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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