宮城県

くまのどうおんせん

熊野堂温泉

名取川沿いにポツンと佇む静かな温泉宿
熊野堂温泉は仙台市街からクルマで30分ほど、名取川沿いにある素朴な温泉宿です。仙台南部道路の山田インターからすぐ、国道286号線から少し入ったところにポツンとある感じです。田園風景が広がる中にさりげなくあるので、やや隠れ家的な雰囲気のある旅館でした。旅館とはいえ日帰りの入浴も積極的に受け付けているようで、チラホラと入浴客が訪れているようでした。玄関を入るとやや古びかけた感じが漂っていましたが、どこか懐かしさも感じて、とても味があるように思えます。いかにも田舎の温泉宿にやってきたという雰囲気です。脱衣所に入ると棚にカゴが並んでいるだけで、び少し殺風景にも感じますが、それはそれで素朴さがにじみ出ている感じです。浴室の扉を開けるとすぐに内湯があるのですが、これが意外にも広くびっくりしました。手前にはボディソープとリンスインシャンプーが備え付けられた洗い場が5つほどあり、正面には大きめな湯舟がドンとあります。奥の壁は一面が大きなガラス張りでとても明るく開放的です。湯舟はひとつだけでなく隣の壁越しにもあります。こちらは少し小さめで向かいあわせで2つありました。一見したところどれも無色透明で何の変哲も無い湯に見えますが、少しずつ温度が違うようです。正面の大きな湯舟が41度ほどと中くらいの温度がありました。小さい方は35度の低温と43度の高温でした。好みにあわせてお湯を楽しめます。3つも湯舟があるので、熱い湯に入ったあとに温い湯でゆっくりするなど、湯舟のはしごをすると長く飽きないで入れます。ガラス越しには田園風景も広がっているのでとても優雅な気分でのんびりとお湯を楽しめます。また湯舟の湯は掛け流しになっているようで、床が湯舟から溢れ出る湯で一面水浸しなのは豪快で、とてもインパクトが強いです。大きい湯舟はジェット噴流などもついた浴槽なのですが、しっかりと掛け流されているので、そうとう湯量も豊富なのでしょうね。湯は無味無臭で見た目にはあまり特徴はありません。ただとても柔らかい触感があるので、入浴中は気持ちよく寛ぐことができました。全体として少し鄙びているのは否めませんが、浴室内にはビーナス像が置かれていたり湯口はライオンの頭(ほとんど半壊状態)など、作られた当初はかなりモダンで贅沢な浴室だったのでしょう。交通の便もよく、雰囲気もよく、温泉も掛け流しの好条件の宿なのに、意外と知名度は低いようなので、とても穴場な宿だと感じました。
掲載: 2006/07/02
Data
  1. 所在地:宮城県名取市高館熊野堂字五反田
  2. 入浴 :2004年9月
  3. 形態 :温泉旅館 男女別
  4. 温度 :湯舟 (低)35.1度 (中)40.7度 (高)43.2度
  5. 露天風呂:なし
  6. 開放度:☆☆☆
  7. 清潔度:☆☆☆
  8. 気軽度:☆☆
  9. 穴場度:☆☆☆
  10. 鄙び度:☆☆☆
  11. 素朴度:☆☆☆
  12. 景色 :☆☆☆
  13. 総合評価:☆☆☆