福島県
だけおんせん・てだけのゆ&足だけの湯
岳温泉・手だけの湯&足だけの湯
ちょっとだけど気軽に温泉と触れ合える
岳温泉は福島県の安達太良高原にあり、坂上田村麻呂が発見したという伝説が残る歴史のある温泉街です。源泉は8キロほど離れた山の中にありそこから引いてきていますが、その間にお湯は揉まれて適温になるのだそうです。幾たびの災害を乗り越えて発展してきた温泉地ですが、今ではすっかりと根付いた人気の観光地にもなっています。温泉街のはずれには鏡ヶ池という小さな池があります。一周が数百メートルほどしかないとても小さな池ですが、良く晴れた日には湖面に山々を綺麗に映し出すことから、鏡ヶ池と名づけられたほど、雰囲気の良い観光スポットです。その鏡ヶ池から温泉街へと伸びる道に、桜坂と呼ばれる桜並木の通りがあります。わずか200メートルほどの短い区間ですが両サイドに桜の木が並び、春の桜の時期にはピンク色に染まった花のアーチが出来上がり、とても風情のある景色になります。ここは少し標高もあることから、毎年ゴールデンウイーク前後が見ごろになるようです。このときも満開の桜並木を優雅に散策することができました。この桜坂の途中には「足だけの湯」と「手だけの湯」という、その名の通り足湯と手湯があります。「only」の「だけ」と、「岳温泉」の「だけ」をもじったのでしょうか、なかなかネーミングも洒落ていますね。(おやじギャグ?) 足湯は通りに面していながらも少し奥まったスペースにポツンとありました。周りは葦簀(よしず)の壁に囲まれ、その中央に座る台と小さな湯舟があるだけのとても質素なものです。湯舟を中心にロの字型に台が組まれていて、床から台まですべて木造です。湯はほとんど無色透明ですが、底には白っぽい粉のような沈殿物もありました。ちょうどいい温度になっていて気持ちよく利用することができましたが、壁がちょっと高いので殺風景にも感じました。足湯なのだから壁は閉鎖的になるだけで意味がないような気がします。手湯の方は桜坂の通り沿いにあります。通りの脇には排水路のような溝があり、その上にパイプから豪快に流れ出る湯口があります。湯の出口部分は受け皿のようになっていて、モコモコっともりあがっています。けっこう熱いのかと思いましたが、こちらもなかなか適温になっていました。かなり豪快に掛け流されているので、ちょっともったいないぐらいに感じました。どちらの施設も誰でも無料で利用できるようになっています。ちなみに看板がちょっと新しかったので、桜の時期にあわせて作られたものかもしれません。この施設がその後永続的に存在するものなのか、臨時施設なのかは不明ですので、訪れる際には事前に確認しておきましょう。
掲載: 2006/07/08
Data
- 所在地:福島県二本松市岳温泉
- 入浴 :2006年5月
- 泉質 :酸性泉
- 湧出量:1350リットル/分 自然湧出
- 泉温 :源泉51.0度
- PH :2.48
- 蒸発残留物:676.8mg/kg
- 形態 :手湯・足湯 混浴
- 脱衣所:なし
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索