栃木県
しおやおんせん・ごんげんのゆ
塩谷温泉・権現の湯
ゴルフ場の片隅に隠れるように佇む共同湯
東北道の矢板インターチェンジからクルマで15分ほど、塩谷町の矢板市寄りに「ロペ倶楽部」というゴルフ場があります。なだらかな丘陵地に広がる郊外型のゴルフ場で、開放感たっぷりのグリーンには定評があるようです。また９番ホールには池の中に中ノ島があるという変わったコースも魅力なようです。そのゴルフ場にはクラブハウスやレストラン、ロッヂ、大浴場などがありますが、この大浴場は露天風呂もある天然温泉なのです。しかし、ここで紹介するのはその大浴場ではなく、ロペ倶楽部の敷地内にある小さな共同湯「権現の湯」です。ゴルフ場の林の中に静かに佇んでいるので、たとえすぐ近くを通りかかってもここに浴場があるとはなかなか気づかないようなところでした。近くに案内板や看板なども無いので、ここに温泉施設があることを知っている人でなければ気づかないでしょう。また、ゴルフ場の敷地内を通るので、たまたま通りかかるということもないので、まさに秘湯なのかもしれません。そのためか、利用者は地元の方々が中心となっているようで、まさに地方の共同湯という雰囲気が漂っていました。浴場へと続く小道の手前にちょっと広くなった空き地があり、そこにクルマを停めて向かいます。すると入口近くまできてはじめて小さな立て札が目に付きました。そして林を抜けると赤い屋根の浴場が見えてきます。わりと小さな建物で、右が男湯で左が女湯の入口になっていました。中に入ると脱衣場がありますが、その入口正面に料金箱があります。利用者は各自で料金を入れるシステムになっているので、特に受付があるわけではありません。小ぢんまりとした建物ですが、意外にもわりと広い脱衣場でした。質素な棚があるだけのシンプルなスタイルで、壁には大きな注意書きと額に入った温泉分析表がありました。脱衣所を抜けると一旦外に出ますが、その正面に浴場小屋があります。小さな建物だと思ったのは単なる脱衣小屋で、浴場は別棟になってたのですね。浴場は素朴な内湯とその先に露天風呂があります。内湯はコンクリート床のまるで飾り気の無い質素なものです。洗い場は２つあって、湯と水のカランがありました。湯舟は浴室の奥にありその先に露天風呂の出入口がありました。露天へは湯舟の中を通って行き来するようになっています。湯は脇にあるコンクリートの小さな水槽に一旦注がれ、そこから湯舟に注がれています。注がれる湯は50度ほどとけっこう熱い湯でしたが、湯量とのバランスが良いのか湯舟では42度ほどとちょうど良い温度になっていました。無色透明で見た目は変哲も無い湯ですが、とってもサラリとし、やらわかくて気持ちいい湯でした。湯口の湯を口に含んでみると微妙に塩味を感じます。露天風呂は岩風呂になっています。板の高い壁に囲まれた小ぢんまりとした湯舟ですが、周りは林に囲まれていて小鳥のさえずりなどが自然と流れてきたりと、のんびりとした感じで気持ちが安らぎます。湯に浸っていると体中に少し気泡がまとわりつくようですが、これも温泉の成分なのでしょうか。非常にゆったりとした気分で楽しく利用することができました。
掲載: 2006/07/08
Data
- 所在地:栃木県塩谷郡塩谷町
- 源泉名:ジュン(権現の湯)
- 入浴 :２００６年４月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
(アルカリ性低張性高温泉) - 泉温 :源泉49.8度
- ＰＨ :８．９
- 蒸発残留物:1576mg/kg
- 形態 :共同浴場 男女別
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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