新潟県
ひろたおんせん・おくのゆゆもとかん
広田温泉・奥の湯湯元館
都会の喧騒を忘れて、のんびりと過ごそう
JR信越本線越後広田駅から山の方へと続く細い道を入っていくといくつかの宿が点在する小さな温泉地、広田温泉にたどり着きます。駅も小さく、そこから続く道には華やかさなどもないとっても素朴な自然の景色が続いていて、とても温泉地へと続く道には思えません。いくつかある宿もそれぞれが小さくて素朴なところなので、歓楽街的なものもなく静養地といった雰囲気がありました。そんな地味な温泉地ですが、広田鉱泉の歴史は意外に古く天保(1830-1844)の末頃というから170年くらいの歴史があるようですね。湯元館はそんな温泉街の一番奥に位置し、明治初期に開業したというこの地で最も古い宿なのだそうです。静かな山間にあり、温泉街そのものは少し寂しい感じがありますが、湯元館は粋な雰囲気の和風旅館でした。玄関を入るとすぐに大広間があり、広間の一角には囲炉裏などもある純和風スタイルです。しかし、その広間にはBGMとしてジャズが流れていたりして、モダンな雰囲気があってなかなか洒落ています。浴室は館内中ほどにありました。脱衣所には棚にカゴが並び、洗面台がありますが、小ぢんまりとした小さなものです。浴室は内湯とその奥に露天風呂がありました。内湯は黒っぽいタイル床で右側に洗い場が3つ並び左側に長方形の湯舟がありました。まずここで注意したいのは床がとても滑りやすいことです。温泉の成分により滑りやすくなっているとのことですが、本当によく滑ります。決して掃除が行き届いていないわけではありませんので、文句は言わないようにしましょう。湯舟は二段になっていて手前側は少し浅めになっています。湯は微妙に濁っている気がします。肌に触れると肌にまとわりつくようにヌルヌル感を感じる、とても柔らかい湯でした。ちなみに洗い場のカランの湯もツルツル感があります。豊富な源泉を沸かして使用しているようです。カランだとよくわかるのですが、かすかにベンジンのような石油系の臭いを感じました。味覚はほとんどありません。露天風呂は2メートル四方の正方形をした湯舟で縁に木材を使用した立派なものです。湯舟そのものはそれほど大きいものでもありませんが、目の前には草木と裏山が広がり、新緑が眩しいのでとても開放的です。宿の周りにはにぎやかなものは何もないので、本当に静かでのんびりとしています。都会とは時間の流れ方に違いがあるかのように、のんびりとした空気に包まれて、とっても心が和みます。天気も良かったので快適でとても気持ちよく寛げました。
掲載: 2006/07/08
Data
- 所在地:新潟県柏崎市大字大広田
- 源泉名:広田鉱泉 湯元館
- 入浴 :2006年5月
- 泉質 :低張冷鉱泉
- 泉温 :源泉16.6度
- PH :9.07
- 蒸発残留物:0.825g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :美肌効果、疲労回復、リュウマチ、皮膚病、切り傷など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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