宮城県
みたきおんせん
神滝温泉
まさに湯治場!素朴な佇まいと濃厚な温泉
神滝温泉は鳴子温泉と鬼首温泉を結ぶ国道108号線沿いにある素朴な温泉旅館です。通り沿いにちょっとした看板はあるものの、古びた民家風の建物なので事前に知っていなければそこに温泉宿があろうとは気づかないのではないかと思うぐらいさりげなく存在しています。国道からは道路脇の看板のある小道に入っていくのですが、本当に狭い緩めな上り斜面の道なのでちょっと不安になります。その道の先にはいくつかの民家も建っているのですがその一番奥に木造の旅館があります。旅館といっても現在稼動しているかどうかも疑ってしまうような古びた佇まいです。けっこう大きな建物なので旅館か何かの施設なのだなぁとは直感でわかりますが、実に質素な木造の建物なので見た目はまるで民家です。玄関脇に温泉めぐりの幟(のぼり)が立っていたので廃業はしていないとは思うのですが、まるで活気もひと気もないので不安になるほどです。建物の奥にある浴室らしき部分の脇からは廃湯の湯けむりがもうもうとあがっていたので温泉があるのだけは確認できます。この宿は湯治客がメインのようで、一般的な観光やビジネス利用の宿ではないようです。館内は外観と同様に古びた雰囲気がありますが、清掃は行き届いているようでわりときれいです。長い廊下の奥に浴室があります。浴室は2つ並んでいて一応男女別になっているのでしょうが、利用者が他にいない場合はどちらを利用してもいいみたいです。脱衣所は棚があるだけの非常に質素なものでした。とてもガランとしていて、湯治宿にしてはあまり生活感を感じません。浴室はこれまた質素なコンクリートの四角い湯舟がポツンとあるだけで質朴さを感じます。浴室は内湯のみですが、天井も高く曇りガラスで囲まれているので外の明かりで射し込んできて明るく、陰湿な雰囲気もなく快適です。湯舟の脇には古びたバルブがあり、パイプの先から湯がドバドバと注がれています。お湯はけっこう熱めの為バルブを調整して湯量を加減することで温度調節ができます。湯はほとんど無色透明ですが、湯口の周囲や湯舟の縁などは温泉の成分によってベージュ色に着色されています。口に含んでみると鉄味というか薄い塩味を感じました。わりと深めの湯舟なので、じっくりと温泉を堪能しながらの入浴が楽しめます。飾り気の無い素朴な温泉だけに、時間の流れがゆっくりになったような気分になれる温泉で、せわしない現代人にはやはり湯治が効果的なのだろうと感じるのでした。
掲載: 2006/07/29
Data
- 所在地:宮城県玉造郡鳴子町鬼首
- 源泉名:神滝3号
- 入浴 :2004年9月
- 泉質 :弱食塩泉
- 泉温 :源泉64.4度
- PH :6.64
- 固形物総量:1830mg(1kg中)
- ラドン含有量:1.064M.E.
- 形態 :湯治宿 男女別(貸切可能?)
- 効能 :(浴用)リウマチ性疾患、運動器の痛みと機能障害、創傷など
(飲用)慢性消化器疾患、慢性便秘 - 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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