沖縄県
ときわゆ
ときわ湯
年季の入った質素な佇まいは文化財級?!
沖縄県は日本国内で最も温泉資源の少ない地域です。熱帯の気候のため、もともと湯舟に浸かるといった風習もなく、地域によっては家庭に浴槽がないというのも珍しくはありません。そういった地域でもあるため、温泉施設はおろか、公衆浴場といった施設にも馴染みの無いところですが、銭湯は少ないながらも存在しています。ときわ湯は糸満市内にある小さな銭湯です。銭湯そのものも沖縄には数件しかないのだからとても貴重な存在です。タクシー会社のすぐ隣に建つ鉄筋の建物で、けっこう年季の入って古臭い印象を受けました。一見したところ案内や看板はなく、屋号は壁に直に書かれています。それもすでに消えかかっている状態で、ただ通りかかっただけではここが銭湯だとは気づかないでしょう。中に入るとすぐに番台があり、右側が女湯で左側が男湯になっています。料金を払って中に入るとすぐに下足箱がありますが、その上には常連さんたちのお風呂道具が桶に入れられ雑多に並んでいて、ローカルムードは満点です。そしてその先は板張りの脱衣場がありますが、壁や仕切りも無くそのまま浴室へと続いています。つまり浴場と脱衣所はワンルームになっているのでした。脱衣所には扉付き木造の棚が並んでいましたが、この棚だけがやけに新しいので違和感がありました。浴室はタイル張りでその中央に小判型の湯舟がひとつあります。内壁側にはシャワーが並び、外壁側にはカランが並んでいます。シャワーもカランも配管が剥き出しになっていて、その素朴さかヒシヒシと伝わってきます。とにかくこのガランとした質素感は何ともいえない情緒を感じていいですよね。また、ここで用意されている洗面器はブリキ缶のような金属製で、なかなか珍しいタイプです。洗面器というよりは何かの容器を流用したようにも感じますが、一体何の容器でしょうかね。気になります。まずはシャワーを浴びようと壁のコックをひねりましたが、どうもどれもまともに出ません。チョロチョロと出てきたりドバドバと出てきたりします。湯と水とのコックがあるので、それぞれうまく調節しながら温度を適温にします。中央にある湯舟はけっこう小さめですが、大人が4名くらいは入れます。わりと深めになっていて、湯は温泉ではありませんが入浴剤を使用しているようで蛍光グリーンの綺麗な色をした湯がありました。湯は溜め湯になっているので溢れ出たりとかはしていませんが、傍らにある蛇口をひねると湯水が出るので加水したり温度調節をすることができます。日中に訪れたこともあり、他に客がいなかったので優雅にのんびりとしてきました。蒸し暑い沖縄ですが、汗をかいた後にひと風呂浴びるとやっぱり気持ちいいものです。いつまでも無くならないでいて欲しいと願う、ローカルな銭湯でした。
掲載: 2006/07/29
Data
- 所在地:沖縄県糸満市糸満
- 入浴 :2006年7月
- 泉質 :温泉ではありません
- 形態 :銭湯 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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