島根県
ひのかみおんせん・かたくりのさと「みんしゅくたなべ」
斐乃上温泉・かたくりの里「民宿たなべ」
温泉を大事に思うからこそ源泉掛け流しにこだわる
島根県の東部、鳥取県との県境にある船通山の北側に斐乃上温泉があります。船通山はヤマタノオロチ伝説の舞台となった場所で、現在では登山客にも人気のある山です。斐乃上温泉はとても小さな山間の温泉地ですが、奥出雲の秘湯として、また美肌の湯として名高いところです。民宿たなべは、その温泉を引いた小さな宿です。木次線の出雲横田駅から鳥取県方面へと向かい、山の細い道をクネクネと進んでいくとヴィラ船通山斐乃上荘が右手に見えてきます。さらに奥に進むと水遊び場が整備された河原の公園が見えてきます。一見すると単なる河原の水遊び場ですが、なんとその水場は斐乃上温泉の源泉がそのまま利用されています。そして公園の前には温泉の汲み取り場もありました。民宿たなべは、そのすぐ先にあります。出雲横田駅からはクルマで20分ほどかかりました。民宿といっても綺麗で山小屋的な雰囲気の宿で、小さいながらもペンションのように洒落た雰囲気がありました。館内は木目の鮮やかな木造で、囲炉裏なんかもあって田舎民家のような素朴さが印象的です。民宿なのでもちろん宿泊がメインの宿ですが、日帰りの入浴客も受け付けてくれています。浴室は男女ともひとつずつあります。脱衣所に入ると棚にカゴ、洗面台があるだけの質素なところでけっこう狭いです。浴室は内湯と露天風呂がありました。内湯は入口の両サイドにひとつずつ洗い場があり、奥は白タイルの湯舟です。大きなガラス窓があり、その奥には露天風呂が見えます。湯舟は６〜７名ぐらいは入れる大きさで無色透明の湯がありました。特筆すべき点は、ここは源泉が26.5度と低いのでそれを沸かして利用しているのですが、何とチョロチョロと注がれている湯は掛け流しなのです。循環をしないことで美肌の湯の効果を最大限に保つためなんだそうな。お湯に対する前向きな姿勢に頭が下がる思いですね。浴室内には露天風呂へと繋がる扉が脇にありました。露天は石に囲まれた岩風呂で全体に屋根のついたものです。ここでもチョロチョロと湯が注がれています。ここは周囲を山で囲まれているので見える景色は山しかありませんが、虫が飛んでいたり爽やかな風が吹いてきたりととってものんびとしたところです。お湯は自慢の泉質だけあって、無色透明ながらもツルツルっとした浴感がとても気持ちのいい湯です。登山の拠点として、また行楽帰りの癒しの湯として気軽に利用できる小さな温泉でした。
掲載: 2006/08/20
Data
- 所在地:島根県仁多郡奥出雲町横田大字竹崎
- 入浴 :２００４年１１月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉
- 泉温 :源泉26.5度
- 形態 :温泉民宿 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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