北海道

ほうへいきょうおんせん

豊平峡温泉

床に広がる天然の造形美に心打たれる
豊平峡温泉は、北海道を代表とする温泉地のひとつ定山渓温泉から定山湖に向かう途中にある静かな温泉施設です。国道230号線からは定山渓の交差点で脇道へと入りやまびこ公園の方に向かいます。ちょっと進むと左手奥に建物が見えてくるのですぐにわかります。日帰りの温泉施設ですが、豊平峡ダム工事作業員の宿舎だった建物を改造して建てられたということで、普通の旅館のような建物でした。しかし入口には天然温泉の文字とインド料理の文字が掲げられています。何とも不思議な取り合わせですが、ここでは個性的な温泉と同じくらいに本格的なカレーも人気があるとのことです。それにしてもまわりは山々に囲まれとても静かな雰囲気の場所にポツンとあるのに、ここだけとても賑わっています。さっそく玄関に入るといきなりカレーのいい匂いがたちこめていました。正面が浴場の受付になっていますが、左側にインド人が作るナンカレーの店があるのです。とても本格的でしかも美味しいカレー屋ということで、わざわざカレーを目当てに訪れる客もいるとのことです。まずは温泉の受付を済まして階段で2階にあがります。すると農機具などの北海道で使われている郷土の道具が展示してあり、その廊下を進むと休憩室、そしてその奥に浴室の入口がありました。貴重品用ボックスは休憩室にあります。浴室は定期的に男女交替制になっているそうです。今回は奥側の浴室に入りました。脱衣所は棚にカゴが並んだだけのとてもシンプルなタイプです。浴室に入るとまずは右手側手前に2つの木製の浴槽がありました。左手側には洗い場が並び、奥には石の湯舟があります。ここでまず目を惹くのが浴室の床です。湯舟から溢れ出ている湯で水浸しなのも凄いですが、その温泉の成分による堆積物で床一面がコーティングされ鍾乳洞の千枚皿のような状態になっているのです。歩くと足の裏が痛いぐらい凸凹していて、歩きづらいほどでした。それほど成分が濃い温泉なのですが、湯はほとんど無色透明なのでちょっと意外に感じます。木造の浴槽は青森産のヒバをふんだんに使用した、なかなか面白い造りの湯舟です。それぞれの湯舟はそれほど大きくないので、体を沈めるとザーッと溢れ出るのが豪快でとても爽快でした。湯は加熱も加水もすることなく源泉を循環することなく掛け流しにしているそうです。泉質にはとても自信があるようで、実際に湯舟でも肌がツルツルとするのでとても気持ちいい湯でした。内湯の外には大きな露天風呂もあります。岩に囲まれたとても巨大なものです。さらに奥にも湯舟があるのですが、そこに向かう石段は溢れ出た湯で湯の川になっていました。奥の湯舟は一部に屋根もついています。露天からみえる景色は周囲の山々で、自然の中にいるという実感が湧いてくるようなとても見晴らしの良いものでした。それから内湯の浴室の入ったすぐ脇には飲泉場もありました。飲むと微かな鉄味がしますが、わりと飲みやすい感じです。浴後にはさっそくナンカレーを食べてみましたが、なるほどピリッとした辛さが本格的なカレーです。カレーは大好物なのでとても満足できました。
掲載: 2006/09/02
Data
  1. 所在地:北海道札幌市南区定山渓
  2. 入浴 :2004年11月
  3. 泉質 :ナトリウムカルシウム炭酸水素塩・塩化物泉(重曹泉)
  4. 泉温 :源泉51.5度
  5. 湧出量:毎分451リットル
  6. PH :7.0
  7. 蒸発残留物:1.761g/kg
  8. 形態 :日帰り温泉施設 男女別
  9. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、関節のこわばりなど
  10. 露天風呂:あり
  11. 開放度:☆☆☆☆
  12. 清潔度:☆☆☆
  13. 気軽度:☆☆☆
  14. 異色度:☆☆☆☆
  15. 人気度:☆☆☆☆
  16. 景色 :☆☆☆☆
  17. 総合評価:☆☆☆☆