鹿児島県
こうりょうおんせん・こうつきのゆ
甲陵温泉・甲突の湯
熱帯性の植物に囲まれた亜熱帯風呂
甲突の湯は鹿児島市郡山町、国道328号線脇の高台にある温泉施設です。一見したところ普通の温泉施設ですが、駐車場の前には「いぬ乃湯 温泉動物病院」というものがあり、次から次へと愛犬を連れた客が訪れていました。今やペットも温泉に入るのが当たり前になったという感じですね。温泉浴場の入口でもイヌがお出迎えしてくれていました。館内に入り受付を済ませてさっそく浴室に向かいます。脱衣所には棚にカゴが並ぶいたってシンプルなものです。入口脇にはコインロッカーもありました。浴場に入ってまず驚くのがその広さです。天井はとても高くて、広いというか大きいのです。向上などにある大きな倉庫のような感じです。そして奥にはバナナの木や巨大なゴムの木、そして伸びまくったポトスなど、熱帯性の植物が覆い茂っていて、まるでジャングル風呂のようになっているのでした。洗い場は左右の壁側にありますが、片側は湯と水のカランのみで、もう一方にはシャワーも付いていました。湯舟は浴室中央にタイル張りの大きな四角いものと、壁側には岩で囲まれた水風呂、そして奥には2つの岩風呂がありました。また、浴室の一角にはサウナもあります。ここで少し妙なことに気が付きます。中央の湯舟は無色透明の湯なのですが、奥の湯舟は何だか黒っぽく見えます。近づいてみると確かに真っ黒です。なんとこれは粉末炭を入れた炭湯になっているのでした。湯は墨汁のように真っ黒いわけではなく透明度は50センチほどです。底の方に細かな炭の粉が沈んでいるようで、上がったらお尻や足の裏が真っ黒になっていました。この炭湯による効果は、炭の出す遠赤外線効果で血行が促進され疲労回復や湯冷めがしにくかったり、ミネラルによりアルカリ体質に改善されたりするそうです。また、炭には水浄化作用があるので、温泉も綺麗に保つ役割もしているのだそうです。実際の効果はどうであれ、なかなか珍しい湯ですよね。それから中央の湯舟では少々熱めの湯が掛け流されていました。注がれる湯を触ってみるとけっこうぬるいので?と思っていたら、そのすぐ真下から熱い湯が出ていました。源泉は34.7度ということで加熱して利用しているようです。ですがどの湯舟も掛け流しになっているようで大量に湯舟から溢れて排水溝へと流れていきます。なんとも贅沢な温泉です。湯は比較的あっさりとしたものであまり癖もないものでした。それにしても、この浴室内の雰囲気といい、真っ黒な炭湯といい、こんな個性的な温泉施設が普通にあるんだから鹿児島は侮れませんよね。
掲載: 2006/09/23
Data
- 所在地:鹿児島県鹿児島市郡山町
- 入浴 :2004年12月
- 泉質 :単純温泉(低張性、弱アルカリ性、温泉)
- 泉温 :源泉34.7度
- PH :8.0
- ラドン含有量:3.69(百億分の一キュリー単位)
- 形態 :温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛・リウマチ・婦人病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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