鹿児島県
よねまるおんせん
米丸温泉
年季の入った浴舎と極上のポカポカ温泉
米丸温泉は後郷川沿いの田園風景が広がる長閑な空間にポツンとある地味な温泉浴場です。蒲生の中心地からだと県道463号線沿いに走るとすぐ、対岸に看板が出てくるので気づきます。さっそく橋を渡って看板の方へ向かいますが、何故か温泉施設らしき建物は見当たりません。この辺りだろうと見当は付けてきたのですが、もしや潰れてしまったのだろうかと肩を落としそうになりました。しかし、よく見ると広い空き地(駐車場)の奥の木造の建物がそれのようです。恐る恐る近づくと米丸温泉と書いてありました。どう見ても普通の民家のようだったのでまさかそこが温泉施設とは思いませんでした。昔ながらのちょっと古臭い建物で、温泉施設にしては随分と鄙びた雰囲気を出していました。温泉施設だとわかったところで安心して川側の玄関に向かいます。玄関を入ると正面に受付がありました。こういう小さな鄙びた浴場の場合、高齢者の方が管理をしていることが多いのですが、なんと受付の方が若くてとても美人なのでこれには驚きました。予期せぬ事態に不覚にも頭が一瞬真っ白になってしまいました。何とか湯銭を払ってドキドキしながらも浴室に向かいます。浴室は受付の左手側にありました。脱衣所に入ると板張りの質素なもので、棚と長椅子が置いてあるだけの飾らないものです。衣服を脱いで浴室との扉を開けようとするとこれがどうしたことか開きません。どうやらガタが来ているようで、強く引いたら開きました(汗)。浴室は小ぢんまりとした鄙びた内湯で、角に2メートル四方の湯舟がひとつあります。床は無垢なコンクリートで湯舟もコンクリート製です。正面には小さいながらも富士山と思われる絵が飾られていました。浴室は全体的にベタなペンキ塗りの殺風景な中に、ポツンと絵があるのが妙にマッチしています。それにしてもそれなりに年季が入っているようで古びた感じがにじみ出ていて、風格が漂っていました。湯舟の湯は透明度40センチほどの濁った赤茶色の湯で少々鉄分の臭いを感じます。脇には源泉のパイプがありますが、出てくるのはけっこう冷たい水です。舐めてみると塩味がありました。どうやら湯舟の湯はこれを加熱して利用しているようです。湯舟の湯が熱すぎるときには、パイプから源泉を継ぎ足して温度調節をするようです。源泉は塩分を含んでいることもあってか、浸かっているとポカポカと体の内側から熱くなってきます。温熱効果ってやつですね。それにしてもここは本当に静かです。水のピチャピチャと垂れる音が響く以外、ほとんど何の音もしません。微かに遠くを走る車の音がするぐらいで、非常にゆっくりとした時間も満喫することができました。何もかも忙しない現代、何もないところで、じぃ〜っと湯に浸かる、これほど贅沢なことはないですよね。
掲載: 2006/09/23
Data
- 所在地:鹿児島県姶良郡蒲生町米丸
- 入浴 :2004年12月
- 泉質 :ナトリウム塩化物炭酸水素塩温泉(低張性中性低温泉)
- 泉温 :源泉31.1度
- PH :6.0
- 成分総計:3,767mg/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :切り傷、トゲ抜き、アトピー、汗疹、皮膚病、蝮の咬み傷など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆
温泉レポートを検索