鳥取県
よしおかおんせん・おかじま
吉岡温泉・おかじま
和のこだわりを感じる小さな旅館
吉岡温泉は、湖山池の少し南側にある温泉街です。應和二年(961年)に発見されたという歴史のある温泉地で旅館もいくつか建ち並びますが、わりと地味な街並みで落ち着いた雰囲気のある静かな場所です。湯治場として栄えた歴史もあり、昭和41年(1966年)には国民保養温泉地として指定されている療養温泉としても有名です。鳥取市街からもとても近いので、地味ながらも活気のある温泉街のようです。「おかじま」はその吉岡温泉街にある温泉旅館です。小ぢんまりとしながらも和のこだわりを感じる佇まいを匂わせていました。民宿のような小さな宿ですが、館内の所々に粋なセンスが漂い、落ち着いた大人の雰囲気を感じました。浴室は檜風呂と岩風呂とがあるようです。それぞれ貸切で利用できるそうで、先客がいる場合には少々待つこともあります。おかじま名物という「檜風呂」に入りました。脱衣所に入ると入口の天井部分がガラスになっていて、とても明るい雰囲気があります。小ぢんまりとしていてとてもシンプルな感じだけど、木目を強調した木の板で囲われ落ち着いた雰囲気があります。微かに漂うお香のような匂いも心を落ち着かせてくれて粋な感じです。浴室はゆったりとした大きさの湯舟がひとつあり、脱衣所と同じように一部天井がガラスになっています。そのガラス窓からは外光が射し込み、湯けむりに拡散されて幻想的なムードがありました。窓側は木の板のスリッドがあります。浴室のすぐ向かい側は客室のようですが、スリッドのおかげで窓を開けても目隠しになるので外気だけが入り込んで浴室内も快適です。狭い空間をうまく利用していますね。室内の隅には観賞用の植物が覆っていて目も和ませてくれています。湯舟はゴツゴツとした丸太で囲われた四角いもので、無色で透明度の高い湯がチョロチョロと溢れでして掛け流しになっています。湯舟の底はコンクリートになっているのですが、子どもの拳ほどの丸みを帯びた黒い石が沢山沈んでいて、ジャラジャラとした感触がとても気持ちいいです。わりと深さもあって、立ち上がると股ぐらいまでありました。また黒光りした腰掛用の岩が中央付近に鎮座しています。湯はなかなか適温かちょっと熱い程度で、サラッとした癖のない柔らかい感覚です。温泉街は大きな通り沿いではないので、浴室内も本当に静かでチョロチョロと排水溝へと流れていく湯の音だけが響いていました。この宿は宿泊でなくとも気軽に立ち寄りもできるので、観光ついでに温泉を楽しんでみるのもいいでしょう。
掲載: 2006/10/09
Data
- 所在地:鳥取県鳥取市吉岡温泉町
- 源泉名:妙見口の湯
- 入浴 :2004年12月
- 泉質 :単純泉(緩和低張性高温泉)
- 泉温 :源泉53.6度
- 湧出量:毎分222リットル
- PH :8.2
- 蒸発残留物:394.7mg/kg
- 形態 :温泉旅館 貸切制
- 効能 :神経痛、関節リウマチ、座骨神経痛、創傷など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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