鳥取県
だいえいおんせん
大栄温泉
地元の民間企業が掘り当てた療養泉
大栄温泉は「名探偵コナンのふるさと」として有名な北栄町にある日帰り温泉施設です。「大栄」は平成17年(2005年)の合併前の町の名前です。「名探偵コナン」は少年サンデーに連載された人気漫画で、テレビアニメや映画になったりと、とても人気のある漫画です。その漫画の作者である青山剛昌氏が大栄町の出身ということで、町内にはコナンの銅像やそれにまつわる様々なオブジェが点在して観光客の人気を集めています。大栄温泉は町外れの畑の中にある小さな温泉施設で、平成7年(1995年)にオープンしたばかりの歴史の浅い温泉です。あまり目立たない温泉施設なので、通り沿いに看板はあるものの、うっかりしているとついつい見過ごしてしまいそうな所に入口がありました。建物はプレハブのとても質素な造りになっていて、見たところ仮設といった感じがありました。実際、仮設なのかこのまま営業を行うのかは定かではありませんが、飾らない雰囲気がローカル感溢れていて好印象ですね。建物の前には薬師様も祀られていて、いっそう素朴感を増していました。館内入口に受付があり、料金を払って中に入るとすぐ右手側に男女浴室の入口がありました。脱衣所の入口は天井から床まで延びる大きなカーテンが目隠しのようになってかかっています。脱衣所内はゴザが敷かれていて木製のロッカーが並んでいました。意外にもけっこう年季の入っていそうなロッカーで、一部は鍵が壊れていたり扉の無いものまであります。洗面台は3つ並び、ドライヤーも用意されていて、簡素なわりにはそれなりに充実しています。浴室は石タイルの湯舟がひとつだけあります。浴室の床には全体に簀(すのこ)が敷かれていて、わりと温かみのある印象を受けました。洗い場がいくつかありますが、正面の壁にかかっている鏡は、大きめの手鏡をぶら下げたものでした。機能的には何ら問題はありませんし、外せば手元で使え、また比較的安価に購入もできるので、これはなかなかいいアイデアですね。洗い場にはボディソープも備わっています。湯舟の湯は微妙に白濁していました。湯口からはトロトロと湯が注がれていますが、循環されているらしく湯は湯舟から溢れていません。また、けっこう強烈な消毒臭が漂っていました。湯量を補うための循環は仕方ないとしても、消毒臭がきつすぎるのは勘弁願いたいですね。また、湯は特に気になる浴感もありませんでした。湯舟にはジェット噴流が2基ついてはいるものの、とても素朴な感じがあります。この素朴さはとても良いのですが、源泉浴槽を用意するなど湯の使い方を工夫すればもっと印象が良くなることでしょう。
掲載: 2006/10/09
Data
- 所在地:鳥取県東伯郡北栄町妻波
- 入浴 :2004年12月
- 泉質 :含弱放射能−ナトリウム−塩化物泉(低張性弱アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉34.0度
- 成分総計:3.755g/kg
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、胆石症など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆
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