長崎県
ふくしまおんせん・こくみんしゅくしゃつばきそう
福島温泉・国民宿舎つばき荘
椿の群生を楽しみながら観光温泉でほっこりしよう
福島温泉つばき荘は伊万里湾に浮かぶ福島にある国民宿舎です。福島はかつては炭鉱で栄えた島ですが、現在は閉山して静かな農村地帯となっています。また、椿(つばき)の群生が名物になっていて、花のシーズンになると観光客も多く訪れるそうです。そしてここは松浦市に所属していて長崎県なのですが、面白いことに陸路を結ぶ唯一の橋は、佐賀県伊万里市と結ばれています。つまり陸路では直接長崎県とはつながっていないのです。橋の上に県境があるようです。つばき荘は橋を渡ってわりとすぐのところにあります。メインの通り沿いではありませんが、看板があるのですぐにわかります。建物は白い鉄筋で、けっこう大きな施設です。館内に入ると浴室はロビー奥にありました。脱衣所は棚にカゴが並んでいます。とても広い脱衣所で洗面台や扇風機、体重計などもあるのですが、非常にシンプルなイメージです。浴室もタイル張りの床に湯舟がひとつとあるだけのシンプル設計です。外壁はガラス窓になっていて、高台に位置していることもあってチラッとだけ海が見えます。残念ながら目隠し用の板や椿の垣根があるのでパノラマ風景とはなりません。洗い場はそのガラス窓側にあるので、体を洗いながら外を眺めることができるようになっていました。洗い場にはシャンプーなどはありませんでしたが、固形石鹸が用意されていました。湯舟は微妙な曲線のちょっと歪(いびつ)な形をしています。壁側には石の湯口がありますが、これが温泉の成分による堆積で、鍾乳石のようになっています。ふと見ると湯舟の縁にも赤茶色く染まっていて、けっこうお湯が濃いようです。チョロチョロと流れる湯を触ってみると、これが何と驚いたことに冷たい水でした。なめてみると強烈にしょっぱくて苦い水です。海水の苦味を濃くしたようなイメージです。湯舟の湯は適温になっているところをみると、循環しながら加熱しているのでしょう。海水っぽい味のわりにはとてもサラリとしていて、肌も微妙にツルツルとする柔らかい印象の湯です。湯舟の湯も少し舐めてみましたが、注ぎ口のような強烈な味ではありまんでした。ちょっと薄味になっているので加水でもしているのでしょうかね。続いて露天風呂へと参ります。露天風呂は浴室の前の扉を外に出て、小さな橋を渡って歩いていきます。内湯とは別の場所にあるので、一度服を着てからでないと行くことはできません。露天風呂は2004年に新設したようで、とても綺麗で真新しさがありました。露天入口は木の板で囲われた板張りで、良く言えば民芸調、悪く言えば簡素なものです。まだ新しいので良い印象です。中に入ると小さな脱衣所でその先はすぐ湯舟になっていました。手前側にはシャワーもありますが、露天では石鹸、シャンプーの使用は不可となっていました。湯舟は岩風呂でその奥は崖になっています。崖の手前に木々がありますが、すぐ眼下には海が広がっていて、これがなかなかいい景色です。ちなみにここの湯口はかなり熱い湯が注がれていますが、味見をしてもまったくしょっぱくありません。少々ツルツル感があって気持ちのいい浴感ですが、やはり加水されたり循環されたりして味がなくなっているのですかね? 源泉が別にあるのか否かは不明ですが、泉質なら内湯、ロケーションなら露天風呂がいいようです。とてものんびりとした感じで大変気に入りました。
掲載: 2006/11/03
Data
- 所在地:長崎県松浦市福島町喜内瀬免
- 入浴 :2005年1月
- 泉質 :ナトリウム・マグネシウムー塩化物泉
- 泉温 :源泉29.0度
- 湧出量:毎分150リットル
- 掘削深度:700.8メートル
- PH :6.8
- 蒸発残留物:16.28g/kg
- 形態 :国民宿舎 男女別
- 効能 :リウマチ性疾患、運動器障害、創傷、慢性湿疹など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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