岡山県
とまだおんせん・のりたけ
苫田温泉・乃利武
内湯なのに露天風呂のようなダイナミックさが自慢
岡山県岡山市、国道53号線から少し入った山間に湧く二千年の歴史を誇る苫田温泉にある大きなホテルが乃利武です。岡山駅からもクルマで20分ほど、山陽道の岡山インターからは10分ほどで辿り着ける、交通の便の良いところにあります。6万坪もあるという敷地内には、春になると桜が咲き乱れるという日本庭園があったり、夏は賑やかで巨大なハワイアンプール、秋にはぶどう狩りや栗拾いが楽しめる農園があったりと、四季を通じて楽しめる魅惑のスポットになっています。建物もまた大きく、広いロビーにホール、結婚式場やレストランなどが揃う大規模なホテルとなっていました。そして気になる浴場は、西日本最大級の規模を誇る岩風呂と謳われている「桃太郎大岩風呂」があります。しかしこの浴場は、館内にはあるものの辿り着くまでが大変なのです。まずはロビー脇のエレベータで3階へと向かいます。そして廊下を進み次のエレベータで7階へ上がります。また先に進み再度エレベータで上がったところに浴場があるという遥か彼方にあるのです。実にエレベータを3回も乗り継いでやっと辿り着けるのです。3番目のエレベータでは、3階が男湯で4階が女湯になっていました。脱衣場は大規模なホテルとあってとても広く、カゴがズラリと並んでいます。洗面台も広く充実していてさすがに大きなホテルといった感じです。そして浴場に入るとまず目を奪われるのはその広さと脇にある大きな滝です。浴場の半分は洗い場や湯舟があるスペースになっているのですが、もう半分はワイルドな渓谷になっているのです。この浴場は確かに内湯なのですが、室内にあるとは思えないほど巨大な一枚岩があり、そのてっぺんから落ちる滝にはびっくりです。10メートルほどある滝は岩を静かに伝って流れ、サラサラと流れる川へと姿を変えていきます。滝や川の周囲には草木が茂り、どう見ても室内とは思えないダイナミックさがあります。まさに山奥の渓谷沿いの露天風呂といった雰囲気でしょうか。ところがここにはしっかりと屋根も壁もあるのです。手前を流れる小川なんか山女魚(ヤマメ)や岩魚(イワナ)が泳いでいてもおかしくないくらいワイルドなのに、すべて人工のものらしいです。ここまでダイナミックだと露天なのか内湯なのかわからなくなってしまいますね。ちなみに渓谷部分は吹き抜けになっていて階上の女湯からも望める構造になっていました。たぶん女湯からは男湯も少し見えるのではないでしょうか。(笑) 景色もすごいですが、設備もしっかりと整っています。洗い場にはボディソープやリンスインシャンプーも用意され、数も沢山あります。湯舟は中央に大きなものと奥にひとつ、そして手前に小さいのがひとつありました。しかし、奥の湯舟は予備と書いてあって湯は張られていませんでした。中央の湯舟は渓谷の脇にあり、湯舟に浸かりながら手を伸ばすと小川の水を触れる距離にありました。手前の湯舟はラジウム鉱泉100%と書かれた札があり、源泉浴槽となっているようです。ちなみにどちらの湯舟も無色透明のサラッとしたものであまり代わり映えはありませんが、小さい方はほとんど消毒臭がしませんでした。おかげでゆっくりと温泉を楽しみながら、内湯ながらもワイルドな景色を堪能することができました。浴場へのアクセスが不便なため、宿泊の際には何かと大変かもしれませんが、エレベータを乗り継ぐ度にモチベーションが上がってきて、それも楽しかったです。
掲載: 2006/12/02
Data
- 所在地:岡山県岡山市栢谷
- 入浴 :2005年1月
- 泉質 :放射能泉(緩和性低張泉)
- 泉温 :源泉18.0度
- 湧出量:毎分6リットル
- PH :7.8
- ラドン含有量:13.69マッヘ
- 形態 :レジャーホテル 男女別
- 効能 :慢性関節リウマチ、慢性筋肉リウマチ、神経痛、痛風、尿酸素質など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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