兵庫県
かのこおんせん・かのこのゆ
鹿之子温泉・かのこの湯
モダンなスタイルの小ぢんまりとした日帰り温泉
鹿之子温泉「かのこの湯」は、神戸市北区、新興住宅地の外れに隠れるようにして建つスーパー銭湯です。通り沿いに大きな看板があるので迷うことはありませんが、その案内に従って路地に入っていくと段々と道幅は狭くなり、なんだかとても怪しく感じる場所にありました。あまりにも道幅が狭いため、温泉施設の周囲は一方通行にしているようです。どうしてこんな辺鄙なところに温泉施設を作ったのか不思議に感じるほどです。それというのも、この温泉には古い伝説があるそうです。その昔、母子の鹿が熊に襲われ大怪我を負ったそうな。母鹿はその後、命を落としましたが、小鹿は谷間に湧き出る清水で傷を癒して治したそうです。村人がその清水を使ってみると療養泉だということがわかり、温泉として利用されるようになったとか。現在のこの銭湯も、以前は小さな旅館だったそうで百年ほどの歴史があるそうです。さて、この銭湯ですが、オープンしてからそれほど年月が経っていないことから、かなり現代風のものです。けっして大きい施設ではありませんが、「湯あそび広場」と書かれた派手な看板と、ロビーや軽食コーナーの設けられたモダンな造りから、いまどきの温泉施設さが漂っていました。玄関前には布袋様が鎮座して出迎えてくれています。館内に入ると昔ながらの木の札の下駄箱があり、自動券売機があります。中はカフェラウンジ風の飲食コーナーがあって、浴室入口に受付がありました。暖簾をくぐって中へと入ると、鍵付きのロッカーの並んだ、狭くもない程度の広さの脱衣所がありました。浴室はタイル張りのオーソドックスなタイプで、やはりそれほど大きいものではありませんが、様々な種類の湯舟が並んでいます。洗い場は手前側と奥、そして露天風呂脇にもあり、それなりに数は揃っています。ボディソープ、リンスインシャンプーも備え付けられていました。湯舟はエステバスやローリングバスなどのジェット噴流によって体をマッサージする浴槽と、奥には主浴槽があります。主浴槽は深い所と浅い所があり、深い所は腰ぐらいまでありました。規模が小さいわりにはスーパー銭湯の名に恥じない程度に、設備も整っています。露天風呂もそれほど広くはありませんが、それなりに工夫され狭苦しさなどはありません。むしろ開放感がある落ち着いた雰囲気です。住宅密集地からは少し離れているので、とても静かな雰囲気でした。湯舟は内湯も露天もすべて温泉を使用していますが、浴槽からのオーバーフローは循環されているようです。湯はほとんど透明ですが、微妙に薄緑に色づいているような気がしました。肌がツルツルとする湯で、やわらかい印象がありとても満足できる湯です。露天に掲げてある温泉分析表によると硫黄臭とありますが、消毒臭で掻き消されてしまって、実際には感じることはできませんでした。ちなみに浴室は、今回入った洋風の「寿々の湯」、和風の「延命の湯」があり、日替わりで男女交替しているそうです。地域の常連さんが多いようですが、気軽に入れる明るい雰囲気がありました。
掲載: 2006/12/03
Data
- 所在地:兵庫県神戸市北区長尾町宅原
- 入浴 :2005年1月
- 泉質 :弱アルカリ性、単純硫黄泉
- 泉温 :源泉15.0度
- ラドン含有量:5.716(百億分の一キュリー単位)
- 形態 :スーパー銭湯 男女別
- 効能 :肩こり、腰痛、リウマチ、神経痛、打ち身など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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