奈良県
にしよしのおんせん・きすみかん
西吉野温泉・きすみ館
南北朝時代から親しまれる歴史ある名湯
西吉野温泉「きすみ館」は、奈良県の自然豊かな山中にある、公営の日帰り温泉施設です。国道168号線から五條市役所西吉野支所の角を県道に入ります。間もなく看板が見えてきて、脇の急な坂道を登ったところにあります。市営のセミナーハウスという位置づけですが、わりと小ぢんまりとした施設でした。浴場と大広間の他、外にはテニスコートが一面あります。平成7年(1995)にオープンしたという比較的新しい施設ですが温泉の歴史は古く、南北朝の時代(室町時代の初期)にはすでに天皇が立ち寄ったと記録に残っているのだそうです。幕末には塩川原温泉と呼ばれ温泉宿も営業し、旅人の宿場となっていたそうです。源泉は少し離れた河原にあるそうですが、塩川原の名の通り塩分を含んだ食塩泉で、とても人気があったようです。建物は近代的な建物でありながらも和風木造の造りで、素朴な温かみがあります。館内に入るとすぐに受付で奥が休憩ロビーになっていました。脱衣所は木造のロッカーが並び、広い洗面台もありますが、全体的にシックな落ち着いた雰囲気で、レトロ調というか民芸調な和のムードが漂っていました。浴室は小ぢんまりとしたものですが、立ちシャワー、打たせ湯、主浴槽、ジャグジーバスなど、わりとバラエティに富んでいます。打たせ湯は特に豪快で、なかなかインパクトのあるものです。天井は高く大きな梁による和風のドーム天井になっているので、空間も広々とした感じです。浴室に入ってすぐのところには、上へとあがる階段があり、そこには高温サウナがありました。洗い場にはボディソープ、リンスインシャンプーが備え付けられています。湯舟の湯は無色透明で気になる臭いなどはありませんが、少し塩味のある湯でした。肌触りや浴感は特に変わった特徴は見られませんでした。窓の外には小さな庭があり、窓越しに見ることができます。窓は大きく開くようになっていて、外に出られるようになっていました。サンダルも用意してありますが、玉砂利が敷き詰められているので裸足でも気持ちいいです。壁が高いので景色を眺めるという感じではありませんが、腰掛やベンチが置いてあるので、ゆっくりと涼むことができます。ときおり、山から吹く冷たい風が頬を撫でていきます。四方を山に囲まれた、自然ならではクーラーです。気分に酔いしれながら佇むのもいいでしょう。
掲載: 2006/12/09
Data
- 所在地:奈良県五條市西吉野町城戸
- 入浴 :2005年1月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉
- 泉温 :源泉15.9度(気温12.5度)
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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