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新潟県

なぎのゆおんせん・なぎのゆ

名木の湯温泉・名木野湯

心細くなるような畦道の奥にある秘湯ムード満点の鉱泉宿
名木野湯は、新潟県見附市の長岡寄りの山の中にある鉱泉宿です。北陸道の中之島見附インターからクルマで20〜30分ほどの場所にあります。しかしちょっと場所が分かりづらく、集落から少し離れた田んぼへと続く細い道を進んだ先にあります。道路脇にはけっこう立派な看板があるので、この看板がわかればまず問題ないでしょう。看板脇には「営業中」と表示されていました。看板のところからは宿が見えないので、こういった表示があるのは安心感が得られますよね。それにしてもこの道はとても細いので、どれだけ怪しいのかとても不安になりますが、看板も綺麗でしっかりしているので、とりあえず安心して道を進むことにしました。クルマが1台通れるほどの細い道で、クルマ同士のすれ違いはかなり難しそうです。対向車が来ないことを祈りながら、急いで先に進みます。しばらく進むと道はどんどん細くなり、そのうち未舗装になってしまい、ガタゴトと揺られながら山の中へと入っていきます。脇道に入ってからはまったく看板など案内がないので、徐々に「道を間違えたか?」という不安が募っていきます。もうこれはヤバいだろうとUターンできる場所を探し始めた頃、やっと建物が見えてきました。それにしてもこの建物もかなり怪しげなものです。玄関の上に「秘湯 名木の湯」と書かれてはいますが、木造二階建ての素朴な姿は、まるで昔の民家のようです。その素朴間がいかにも鉱泉宿といった雰囲気で、それなりに情緒はあるものの、不思議と古さは感じられません。実際にそれほど古い建物でもないようです。中に入ると右手に居間があり、すぐにおばちゃんが出迎えてくれました。浴室はその奥にあります。館内も古民家風ですが、わりと綺麗な造りです。小さな鉱泉宿ですが浴室は男女別になっています。脱衣所は広めの洗面台と簡易的な棚があるだけの、とても小ぢんまりとしたものです。浴室は木造壁に石タイル、そして岩風呂のある、非常にシンプルなものでした。窓は小さく、そんなに外の景色が見えるわけではありませんが、秘境にある山小屋の雰囲気がありました。どこからか漂ってくる薪の匂いも、その芳ばしさには人をホッとさせる不思議な感覚がありますね。春先のまだ寒い時期とあって、湯舟は湯けむりのヴェールに包まれて神秘的な装いを見せていました。掛け湯をしようと桶で湯舟の湯を汲むと、湯けむりがスーッと割れて琥珀色をした湯が見えました。ザザーッとかぶって湯舟に浸かると、肌が微妙にツルツルとする浴感がありました。湯舟では足を伸ばすと足の先が茶色になる程度の色合いで、体全体がセピア色になったように見えます。湯舟はゴツゴツとした石の湯舟ですが、縁の部分が木製なので木の温もりのような柔らかい匂いが鼻をくすぐります。湯は角の岩の間からチョロチョロと注がれていました。鉱泉なので沸かして利用しているようですが、体を沈めたときに湯がドーッと溢れるので、掛け流しにしているのかもしれません。注がれる湯を少し口に含んでみると舌の横に残る、硫黄泉にも似た風味がありました。湯舟には繊維状の浮遊物もありますが、これはゴミではなく温泉の湯の華のようですね。静かに流れる時と湯が、嫌なこともすべて洗い流してくれるような気分になり、じっくりと寛ぐことができました。ちなみに、廊下さの先には露天風呂もありますが、こちらは冬季閉鎖で暖かい時期の週末だけの開放だそうです。このときは四月上旬でしたが、露天風呂はまだ完全に雪に覆われてその姿も拝見することはできませんでした。まだ長い冬は終わっていない、まさしくここは雪国なのだと実感したのでした。
掲載: 2006/12/17
Data
  1. 所在地:新潟県見附市名木野町
  2. 入浴 :2005年4月
  3. 泉質 :含硫黄−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
    (弱アルカリ性低張性冷鉱泉)
  4. 泉温 :湯舟42.5度
  5. PH :8.1
  6. 形態 :温泉施設 男女別
  7. 効能 :皮膚病、糖尿病、婦人病、やけど、切り傷、筋肉痛、疲労回復など
  8. 露天風呂:あり(冬季閉鎖)
  9. 開放度:☆☆☆
  10. 清潔度:☆☆☆
  11. 気軽度:☆
  12. 穴場度:☆☆
  13. 鄙び度:☆
  14. 秘湯度:☆☆☆☆
  15. 素朴度:☆☆☆☆☆
  16. 異色度:☆☆☆
  17. 景色 :☆☆
  18. 総合評価:☆☆☆