新潟県
おだておんせん・はしもとや
緒立温泉・橋本屋
ビジネスや合宿にも便利、ご飯の美味しい冷泉宿
新潟県新潟市にある緒立温泉は田園地帯と住宅地の外れにある小ぢんまりとした素朴な温泉地です。派手なムードはまったくといっていいほど無い温泉ですが、歴史は意外にも古く、江戸時代後期より親しまれていたそうです。温泉のいわれは、文久三年(1863年)に、皮膚病に侵され医者にも見離された娘が、夢のお告げに従い湧き出る霊泉を発見し、完治したことから噂になり湯治場となったそうな。「旅館 橋本屋」は客室15部屋ほどの和風旅館で、新しさは無いものの素朴で家庭的な雰囲気の宿でした。新潟の中心部までクルマで20〜30分ほどなので、客層はビジネスマンが多いようにも感じましたが、女子中学生らしき集団もいたことから合宿の利用にも向いているようです。浴室は1階の奥にありますが、男女の浴室は、玄関左手前と客室右奥とで少し離れていました。浴室の大きさが異なるようで、朝と夜とで男女が入れ替わるようです。まずは、右奥の浴室に向かいます。脱衣所は棚にカゴが並ぶだけの質素なもので、飾り気がないけど古びているわけでもなく、どことなく懐かしい感じがありました。浴室はタイル張りのオーソドックスなタイプで、浴室の半分が湯舟になっています。洗い場にはボディソープとリンスインシャンプーが用意されていました。湯舟は角に石を汲み上げてありましたが、湯口になっているわけでもなく単なるオブジェのようです。湯は無色透明でサラサラしていてほとんど無臭です。湯舟の中には循環装置が付いているようで、ここで加熱濾過していると思われます。浴室は内湯のみで露天風呂はありません。また景色も楽しむことはできませんが、特別閉鎖的な雰囲気もなく落ち着いて入ることができました。翌朝はもう一方の浴室に向かいました。こちらも内湯ですが、さらに小ぢんまりとした浴場です。湯舟は2〜3人でいっぱいのものでした。こちらの浴場は少し小さい分、湯舟の形や壁の模様などにも凝っているような気もします。湯舟に大きく迫り出した岩や、凝灰岩の壁に埋め込まれた大理石など、それなりに演出されているようです。こちらのお湯も湯舟の中で加熱循環されているようでした。あまり特色がない温泉ということと、旅館のどこにも温泉分析表が見当たらないのがとても気になっていたのですが、もっと驚いたのは道路にある町の看板からも温泉の文字が意図的に消されていたことです。調べてみると、源泉の成分変化により平成14年(2002年)の再調査の際に規定に達していなかったそうです。数値的にはギリギリなのだそうで、もったいない話ですね。しかし、北陸自動車道の新潟西インターチェンジの近くにあるという立地柄、観光やビジネスの拠点としても利用価値の高いところです。温泉好きにとっては、ビジネスホテルのユニットバスよりも、こうした旅館の方が落ち着いてリラックスできるのではないでしょうか。
掲載: 2006/12/17
Data
- 所在地:新潟県新潟市黒鳥
- 入浴 :2005年4月
- 泉質 :温泉の規定に達していません
- 形態 :旅館 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆
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