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神奈川県

いせはらおんせん・とりまつえん

伊勢原温泉・鳥松園

空の広さと大地の奥行きを感じる展望露天風呂
伊勢原の街並みを見下ろす山の中腹、産能大学の近くにある温泉施設が伊勢原温泉「鳥松園」です。市街地を抜けて産能大学に近づいていくと、所々に看板がみえてくるので案内に従って先へと進みます。最後の看板を過ぎると、そこから先の道幅が途端に狭くなり、とても急な上り坂になります。300メートルほど進むと、トタン屋根の素朴な農家風の建物が見えてきました。とても温泉施設のようには見えませんが、この建物は玄関的な役割をしているようで、奥に別の施設が広がります。建物に入るとそこは休憩所(土間)になっていてキーン、コォーンという不思議な音色が聞こえてきました。それは部屋の隅にあった水琴窟でした。それにしても透き通った綺麗な不思議な音がするものですね。なかなか粋な演出に感じます。奥へと進むと受付があり、そこで料金を払うとクリップボードに挟まれた伝票が手渡されます。これは、館内で食事をする際に利用し、帰り際に精算するようです。そのまま奥の浴室へと向かいました。浴室はこの建物の外にあり、食事処を抜けると眺めの良いテラスがありました。山の中腹とあってとても開放感がありました。浴後にここでビールをグイッと飲むと最高でしょうね。浴場は室内露天風呂と展望岩風呂とがありました。まずは手前の室内露天風呂から入ってみます。それにしても室内露天風呂とはまた変に矛盾したネーミングですね。物置小屋のようなとても質素な建物で、暖簾をくぐるとすぐに脱衣所がありました。棚にカゴがあるだけの簡素なものでけっこう狭いものです。浴室は内湯と露天風呂とがあり、内湯はタイル張りのオーソドックスなものでした。ボディソープとリンスインシャンプーの整った洗い場があり、隅の角には小さめの湯舟がありました。やや小ぢんまりとした浴室で、湯舟も3人ほどでいっぱいの大きさです。湯はライオンの頭の湯口からトロトロと湯が注がれています。無色透明ですが、肌に触れるとツルツルとするアルカリ性の柔らかい感触の湯でした。湯温も適温でなかなか気持ちがいいです。露天風呂は白い岩に囲まれて内湯と同様にそれほど大きくはありませんが、目の前がパッと開けたすごく開放的なものです。先ほどのテラスと同じ眺めが湯舟から堪能できます。内湯から出た瞬間に思わず「あっ」と声が出てしまうほどでした。高台にあり目の前には視界を邪魔するものは何も無いので、手前の畑や森、そしてその奥に広がる街並みなど、この景色は格別のものがあります。そういえば廊下に夜景写真がありましたが、これは十分に期待できるでしょうね。雰囲気も景色もいいなぁと感心していましたが、よくよく見てみるとまわりの岩はすべて本物の岩ではなくハリボテでした。叩くととても軽い音がします。ちょっと安っぽい気もするけど、まぁいいか。一方、展望風呂の方は掘っ立て小屋みたいな、こちらこそ質素な建物です。立て付けの悪い扉を開けると手前に脱衣棚があって、そのまま奥は浴場になっていました。しかしながらこちらの湯舟はけっこう広めでゆったりとしています。一応屋根があるのですが透明なプラスチック製の波板なので、外光の透過性が高くとても明るいです。目の前は大きく開けていて、先ほどの露天風呂並に視界は開けていますが、ちょうど目の前に大きな木があるのでそれが邪魔で気になります。先ほどに比べさらに質素な造りですが、個人的にはこっちの方が落ち着いていて好みですね。
掲載: 2007/01/13
Data
  1. 所在地:神奈川県伊勢原市上粕屋
  2. 入浴 :2005年5月
  3. 泉質 :アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性低温泉)
  4. 泉温 :源泉26.1度
  5. PH :10.3
  6. 掘削深度:800メートル
  7. 形態 :食事処兼温泉施設 男女別
  8. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、関節のこわばり、うちみなど
  9. 露天風呂:あり
  10. 開放度:☆☆☆☆
  11. 清潔度:☆☆☆
  12. 気軽度:☆☆
  13. 鄙び度:☆☆
  14. 異色度:☆☆☆
  15. 景色 :☆☆☆☆
  16. 総合評価:☆☆☆