新潟県
いかざわおんせん・ゆもとかん
五十沢温泉・ゆもとかん
大きな露天風呂は混浴ながらも優雅でのびのび
JR上越線六日町駅からクルマで15分ほど、五十沢温泉「ゆもとかん」は、県道233号線から脇道に入ってすぐのところにある人気の温泉旅館です。県道沿いの看板を目印に脇道に入っていくと、大きな駐車場があり、そして地味だけど大きな建物があります。ここの温泉は消雪用にと井戸を掘ったところ、60メートルほど掘ったところで50度のお湯が出てきたのが始まりだそうです。昭和51年(1976)のことだというので、まだまだ新しい温泉です。館内に入ると玄関では鹿やパンダの剥製が出迎えてくれ、少し雑多な感じがあったりと、昭和の匂いが残る少しレトロな雰囲気が漂っていました。フロント奥の廊下を進むと正面に男女別の浴室入口があります。そしてさらに廊下を奥へと進むと、この旅館の名物にもなっている混浴の岩風呂があります。男女別の内湯はわりと簡素なタイプです。木製のドアを開けると狭く暗い脱衣所がありました。木の枠の棚にカゴが並ぶだけで、簡素というより質素な印象です。浴室はタイル張りのオーソドックスなタイプでした。男湯はわりと小さめなのですが、聞くところによると女湯はもうちょっと広いそうです。奥の岩風呂が混浴なので男女別の内湯は女湯を優先したのでしょう。男湯はとても狭いので、浴室の半分は湯舟になっていて、端に洗い場がちょこんとあるだけです。一応、ボディソープ、リンスインシャンプーも用意されていました。閉鎖的な空間であることと、湯が熱いこともあってか、浴室に入るとムッとした熱気を感じます。湯舟の湯は無色透明なのですが、なんとなく茹で玉子のような硫化水素系の臭いがしました。角の湯口からはトロトロと湯が注がれているのですが、そのまま湯舟から溢れていたので掛け流し状態になっているようです。湯口には升が用意してあり、飲泉も可能なようです。飲むとほんのりと硫黄っぽい風味がありました。特にしつこくもなく、なかなか飲みやすい印象です。湯は肌に触れるとほんの少しだけ、ツルッとする浴感がありました。ちなみにカランの湯も同じ触感なので、温泉を利用しているのでしょう。浴室の壁には曇りガラスの窓があり、外光が射しこんで明るくはなっているのですが、窓のすぐ外側は廊下になっているので、人が通るたびに気配が感じられて何だか落ち着かない雰囲気でした。続いて奥の岩風呂に入ります。こちらは脱衣所も広く、とても綺麗です。浴室は混浴になっていますが、脱衣所は男女別になっているので安心して利用できます。浴室に入るとまずは広い内湯が広がっています。巨石が配されなかなかダイナミックな内湯です。男女の境に巨石の壁があるのですが、それは入口付近だけでそれより先は壁も仕切りもなく混浴ゾーンになっています。真ん中の岩の湯口から湯が注がれ、洗い場が水浸しになるほど大量の湯が掛け流されていてインパクトがありました。こちらの浴場にも一応、ちょっとした洗い場が用意されていました。湯は広いこともあってかけっこういい湯加減です。そして内湯の外側には露天風呂があるのですが小露天風呂と大露天風呂の2つが湯舟ありました。小さい方は女湯側にありますが、露天風呂間を行き来できるので、特に男女の区別は無さそうです。また、小露天風呂の脇には小さな休憩所もあって木製のイスが置いてありました。それぞれの露天風呂にも竹筒の湯口があり、その脇に飲泉用の升が置いてありました。注がれる湯がけっこう熱めなので、小さい露天はその分熱く、大きい露天はややぬる目に感じました。内湯はその中間ぐらいの温度なので、好みの温度で楽しむことができます。露天は木々と巨石に囲まれた庭園風のものです。背後には山々の自然が堪能でき、開放感もたっぷりあります。今回は立ち寄りで利用しましたが、人気のある旅館なので、混雑時には立ち寄り入浴はできない場合があるそうですので注意しましょう。
掲載: 2007/01/14
Data
- 所在地:新潟県南魚沼市宮
- 源泉名:五十沢温泉 1号井・2号井
- 入浴 :2005年5月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)
- 泉温 :(1)源泉50.3度 (2)源泉52.3度
- 湧出量:(1)毎分270リットル (2)毎分171リットル
- PH :(1)9.4 (2)9.5
- 蒸発残留物:(1)158mg/kg(180度) (2)161mg/kg(180度)
- 形態 :温泉旅館 男女別・混浴
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 鄙び度:☆
- 異色度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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