新潟県
むらすぎおんせん・かわかみやりょかん
村杉温泉・川上屋旅館
和風でいて洋風のような粋な雰囲気の小さな温泉宿
新潟県五頭山麓に湧く出湯温泉、今板温泉、村杉温泉の3つの小さな温泉街をまとめて五頭温泉郷と呼びます。近くの月岡温泉に比べれば規模はとても小さいけれども個性と歴史のある静かな温泉地です。村杉温泉はその中で一番南に位置する温泉地です。ここは歴史も古く建武二年(1335)に足利家の家来であった荒木正高が、夢の中で薬師如来に導かれて温泉を発見したという言い伝えがあります。江戸時代には新発田藩主も湯治に訪れたとの文献も残っているそうで、由緒正しい温泉であるようです。川上屋旅館は温泉街のほぼ中心部、共同浴場の目の前にある和風旅館です。レンガ調のモダンな部分と破風造りの玄関を持つ和風部分からなるちょっと変わった造りの建物ですが、なかなか渋めの粋な情緒が感じられます。館内は増改築を繰り返したのか、新しい部分と古い部分が入り混じったような雰囲気がありました。客室はそれほど多くはありませんが、とても高級感のある内装で、従業員の接客態度も丁寧で心地よい感じです。客室の座布団がボールのように丸く膨らんでいて、座るとフワフワとするのが印象的でした。浴室は玄関脇にありますが、1階と2階の2つの浴場があります。2つの浴場は客の利用状況に応じて男湯になったり女湯になったり家族風呂になったりもするようです。まずは2階の浴室に入りました。狭い急な階段を登ると脱衣場がありました。中に入ると棚にはカゴが並び、正面には洗面台があります。ステンドグラス調の窓ガラスがとても印象的です。外から見たレンガ調の部分は浴舎だったようですね。ガラス壁を隔てて浴場がありますが、想像していたよりも広めでした。内湯のみなので少々熱気がこもりますが、広めの湯舟とステンドグラスが独特な雰囲気をつくっていました。湯は無色透明、無味無臭の特徴のないものですが、ラジウムを多く含んでいるのが特徴なようです。呼吸と皮膚からの吸収により、血液が浄化され、新陳代謝を促す作用があるそうです。もう一方の1階にある浴室は、2階の浴室に比べ小ぢんまりとしたものになっています。細長い形のオーソドックスな湯舟で、かなりシンプルな印象でした。明り取り用の窓がありますが、こちらはステンドグラスではなく普通の曇りガラスでした。入るなら2階の浴室の方が雰囲気がいいので、オススメです。
掲載: 2007/01/20
Data
- 所在地:新潟県阿賀野市大室
- 源泉名:薬師乃湯3号井
- 入浴 :2005年5月
- 泉質 :単純放射能泉(弱アリカリ性 低張性 低温泉)
- 泉温 :源泉26.0度
- 湧出量:毎分483.0リットル
- PH :8.0
- 蒸発残留物:250.2mg/kg
- ラドン含有量:204.7マッヘ/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別(状況により家族風呂)
- 効能 :痛風・動脈硬化症・高血圧症・慢性胆嚢炎・胆石症・神経痛など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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