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新潟県

みやもとおんせん・ひろせかん

宮本温泉・廣施館

時が止まっているかのような静かな旅路を楽しむ
宮本温泉「廣施館」は、新潟県長岡市にある素朴な温泉旅館です。関越自動車道「長岡」インターから10分ほど、国道8号線を柏崎方面へと進み、案内標識のある脇道に入った先にあります。しかしながら標識はとても小さく地味なので、ついつい見落としがちなので注意します。脇道に入って高速道路の下をくぐり、案内看板に従って進んでいくと山の麓に宿が見えてきます。北陸自動車道大積パーキングエリアのちょうど裏手に位置します。派手さはまったくない落ち着いた雰囲気で、古くから存在する旅館のようにも感じますが、建物は古い農家を改造して造られたという代物だそうです。温泉は昭和51年(1976)に裏山から引いて開湯したそうで、まだ歴史の浅い温泉宿です。館内に入ってまず最初に感じたのは、その静けさです。その静けさと言っても「音」がしないのではなく、「時」が止まっているかのような感覚です。年季の入った建物と、ちょっと雑多で鄙びた感じの玄関が、「田舎の旅館」そのものといったイメージで、とても素朴なのです。素朴ではあるけれど質素ではなく、それなりの品格もあるように感じました。浴室は館内の左奥にあります。廊下の途中には宴会場などもありました。日曜の午後に訪れたのですが、ちょうど何かの会合が催されていたようで、わりと大勢の人の声と料理のいい匂いが漂っていました。この宿は外の看板にもあるとおり「豆刺し・牛カン・山フグの刺身」などの田舎料理が自慢の宿のようです。それぞれ聞き慣れない名前の食べ物で、どういったものかはよくわかりませんが、とにかく美味そうな匂いが漂っているのでした。浴場は脱衣所に入ると棚にはカゴが並んでいます。洗面台もありますが、全体的にシンプルでありつつごく一般的な設備で、可も無く不可も無くといったところです。浴室は内湯のみで露天風呂はありません。湯舟は長方形の石タイルのものがありました。それほど大きな浴室ではありませんが、宿の規模からすると大きい方かもしれません。浴室は男女別になっていて壁で仕切られていますが、清掃用(?)のドアが曇りガラスになっているので、何となく人の気配が感じられてちょっと落ち着かないところもありました。浴室は前面がガラス窓で囲まれていて、とても明るい雰囲気があります。窓の外は、山というか林が見えるだけですが、静かで落ち着く景色です。また、湯舟の脇には、なにやら怪しげな人形がいくつか並んでいました。浴室にこういった人形を飾るのも妙な感じだし、ちょこんと置かれていたのですが、とても意味深なものでした。それから、訪れたときには一部の壁がブルーシートになっていました。壊れてしまったのか、改装の途中なのかはわかりません。半年ほど前に起きた中越地震の影響かもしれません。この辺もかなりの被害が出たのでしょうか。いずれにせよ温泉は無事に利用されているようです。湯は無色透明でほとんど無味無臭です。硫黄臭が鼻をつくという噂を聞いていたのですが、このときはほとんど感じられませんでした。しかしながら、湯舟の脇や浴室の床の一部はオレンジ色というか赤茶色に変色しています。どうやらこの温泉には鉄分も多く含まれているようです。そのせいか、とても温まる湯で、浴後もポカポカが続いていました。ちなみに源泉名は「五軒の湯」ですが、温泉は一軒宿のようです。
掲載: 2007/01/20
Data
  1. 所在地:新潟県長岡市宮本東方町
  2. 源泉名:五軒の湯
  3. 入浴 :2005年5月
  4. 泉質 :単純硫黄冷鉱泉
  5. 泉温 :源泉11.8度
  6. 湧出量:毎分20リットル
  7. PH :7.7
  8. 形態 :温泉旅館 男女別
  9. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
  10. 露天風呂:なし
  11. 開放度:☆☆
  12. 清潔度:☆☆☆
  13. 気軽度:☆
  14. 穴場度:☆☆
  15. 秘湯度:☆☆
  16. 素朴度:☆☆☆☆
  17. レトロ度:☆☆☆
  18. 景色 :☆☆
  19. 総合評価:☆☆☆