群馬県
しもにたおんせん・せいりゅうそう
下仁田温泉・清流荘
清流に心洗われる、安らぎの宿
下仁田温泉「清流荘」は、ネギやコンニャクで有名な群馬県下仁田の山の中にある日本秘湯を守る会の宿です。下仁田の街から少し離れた、静かな山の中にあります。それほど交通の便も悪くはないのですが、国道から県道に入り、さらに山道へと入ると、周りの景色はみるみる様変わりして緑の深い山になります。東京からも2時間ほどで来られる場所ですが、秘湯ムードはなかなかです。駐車場にクルマを停めると、そこから細い橋で小川を渡ります。するとその先に秘湯を守る会の提灯(ちょうちん)が見えてきました。風情のある内湯や、露天風呂付きの客室などもありますが、外来入浴では離れにある露天風呂を利用することができます。玄関を出て池の前をまわって奥へと進むと、巨石で囲われ大きな屋根のついた露天風呂があります。男湯は「仙境の湯」、女湯は「白玉の湯」と名前が付けられていました。石のアーチを潜って中に入るとすぐにスノコの敷かれた脱衣スペースがあり、湯舟が目の前に広がっています。洗い場が片隅にありますが、簡素なものです。湯舟も石に囲まれた岩風呂で、その奥には川が流れ、木の陰から見下ろすことができます。湯舟は大小2つに区切られていました。大きい方は無色透明の湯で、1〜2人でいっぱいの小さい湯舟は赤茶色に濁った湯です。赤茶色の湯は源泉をそのまま引き込んでいるのだそうで、入ろうと片足を突っ込むと予想以上にぬるくてびっくりしました。入れないほど冷たいわけではありませんが、温度を計ってみると27.8度でした。ちょうど夏場だったので、寒くもなく冷たくもなく、けっこう気持ちがよかったです。その湯舟に体を沈めると、湯舟の底に溜まってた赤茶色の堆積物がふわふわと舞い上がってきました。湯舟の隅には小さなパイプがあり、そこから源泉がチョロチョロと流れ注がれています。その源泉をちょっと飲んでみると、口に含んだ瞬間に炭酸の風味が口に広がり、あい重なってピリリと錆びた鉄のような酸味を感じました。とても個性的な味覚です。それから洗い場の脇にも不自然な蛇口があります。ひねってみると赤茶けた水が出てきました。しばらく流していると段々と透明になってきたので口に含んでみると、先ほどの源泉と同じ味がします。源泉の蛇口のようですね。源泉と加熱された湯舟を行き来することで、すっかり長湯になってしまいました。
掲載: 2007/02/04
Data
- 所在地:群馬県甘楽郡下仁田町吉崎
- 源泉名:清流の湯
- 入浴 :2005年8月
- 泉質 :含二酸化炭素−カルシウム・ナトリウム−炭酸水素塩冷鉱泉
- 泉温 :源泉12.0度
- 湧出量:毎分10リットル
- PH :6.0
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :消化器病、切傷、火傷、心臓病、糖尿病、高血圧など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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