福島県
ふるまちおんせん・あかいわそう
古町温泉・赤岩荘
インパクト抜群、素朴ながらも濃厚な温泉
古町温泉「赤岩荘」は、福島県の西部、南会津町にある温泉浴場です。伊南川沿いに寄り添うようにして走る国道401号線から、少し脇に入ったところにあります。この周辺はとても長閑な場所で、周囲は田園地帯になっています。国道沿いにある看板がとても目立っていました。ここは少し鄙びかけた雰囲のいかにも民宿というような印象を受けるものですが、入口部分だけは少し小ぎれいです。日帰りの入浴客が次々とやってくるので、共同浴場のような雰囲気がありました。館内に入るとすぐに受付があります。料金は驚くほど安いのですが、町内の人はさらに格安の料金で利用できるそうです。なるほど、付近の方々にとっては自宅の風呂みたいなものなのでしょう。料金は入浴のみと休憩料込みの二種類が設定してありました。館内に入ってすぐ右手側には大広間があり、地元の方らしき人々がのんびりと過ごしています。浴室は内湯と露天風呂がありますが、それぞれ場所が離れています。受付の人に「露天風呂はまだ溜まってないので内湯をどうぞ」と言われたので先に内湯に入ることにした。内湯は大広間の前にあります。始めはどこが入口かわからなかったのですが、古ぼけた引き戸を開けるとそこが脱衣所でした。やや狭い脱衣所の中は、棚にカゴが並ぶ簡素なもので、ちょっと陰気臭い雰囲気があります。古い浴場にありがちな、独特の汗というかカビのようなスッパイ臭いもします。ちょっと清潔感には欠けるように思いました。これはあまり期待できないかなと思いつつ、浴室に入ってみます。浴室もやや狭い感じはあるけど手前に洗い場が2つあり、中央壁側に湯舟があります。ところがここでまず驚いたのはその床です。湯舟から溢れ出た湯の成分が堆積してゴツゴツした模様を作っていました。湯舟の湯は脇のパイプからゴボゴボーッと豪快な音と泡を立てながら注がれています。素朴でシンプルながらもインパクトの強い個性的な温泉のようです。湯舟ではほんの少し白濁した感じで、湯口の湯をそっと口に含んでみると、これがかなり塩辛い湯でした。湯に浸かっていると肌がしっとりとした感じになってきました。これはまた予想外にいいお湯です。室内は殺風景で寂しいのですが、窓の外には長閑な田園風景が広がっていました。つづいて露天風呂に向かいます。露天は浴室前の廊下の一番先で、サンダルに履き替えてさらに奥へと向かったところにあります。こちらは木造の壁で囲われていて、脱衣所には屋根もついています。西部劇に出てくるような両開きの扉をでると、巨石を配した湯舟がありました。けっこう大きな湯舟で3つに区切られていましたが、開店からだいぶ時間が経っているのにまだ半分くらいしか溜まっていません。こちらは内湯とはだいぶイメージが違い、開放感たっぷりの一般受けしそうな雰囲気です。露天の湯は内湯と違い、赤茶色に濁った濃厚な色の湯です。透明度は10センチくらいしかないので、相当濃いように思います。角の石組みの湯口からボコボコと音を立てて熱湯が注がれていました。内湯と同じ源泉のようなのですが、やはり温泉の鮮度によって色づきやすくなるのですかね。それにしても露天風呂は気持ちがいいです。露天風呂の周囲が少しうず高くなっているだけで、壁や塀などがなかったのでとても開放的でした。伊南川も眺められ、優雅な気持ちで温泉を楽しむことができました。観光客にも温泉マニアにもオススメできる温泉です。
掲載: 2007/02/12
Data
- 所在地:福島県南会津郡南会津町古町
- 入浴 :2005年8月
- 泉質 :ナトリウム−塩化物泉
- 泉温 :源泉53.4度
- 湧出量:毎分152リットル
- 掘削深度:700メートル
- PH :6.6
- 蒸発残留物:15.81g/kg
- 形態 :温泉施設 男女別
- 効能 :きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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