山形県
しらぶおんせん・なかやべっかんふどうかく
白布温泉・中屋別館不動閣
インパクト抜群、霞むほど長〜い内湯の湯舟
白布温泉は山形県の南端、深い山の中にある温泉地です。西吾妻スカイバレーの入口、天元台スキー場の麓にある温泉地で、四季を通じて訪れる人の多い人気の温泉地です。温泉の歴史は古く、開湯は正和年間(1312〜1317)といわれ、奥州三高湯のひとつに数えられています。白布温泉と言えば中屋旅館、東屋旅館、西屋旅館の茅葺屋根の並びが名物となっていましたが、平成12年(2000)に火事で焼失してしまいました。その中屋旅館の別館が、大樽川沿いに建つ中屋別館不動閣です。その名の通り駐車場に入ると不動尊が建っていて、訪れる客を出迎えてくれます。駐車場の奥には民芸調の立派な木造建物と鉄筋の建物が建っています。宿の入口は鉄筋の方にありました。歴史のある旅館だけあってか、館内は少し鄙びかけているような素朴さがありました。浴室は男女とも2つずつあり、館内中程にある露天風呂と突き当たりのオリンピック風呂(大浴場)です。まずは露天風呂の方から入ることにしました。こちらはカゴが用意された小さく簡易的な脱衣場と、囲いの外側には中規模の湯舟があるだけのとてもシンプルなものです。脱衣場と湯舟だけで洗い場などはありません。湯舟は長方形をしていて渓谷沿いにあります。天井も壁もあり、谷側の壁が無いだけですが、その素朴感はとても落ち着きます。そして何よりもそこから眺める景色がいいです。11月初めの訪問でしたが、渓谷沿いの木々は赤や黄色、朱色など色鮮やかで、吹き抜ける風もさわやかでとてもリラックスした気分になりました。湯は角の湯口と中央の底から延びたパイプから出ています。角の湯口は源泉だそうで、60度ほどあるそうですが、湯舟ではちょうどいい温度になっていました。ちょっと飲んでみましたが無色透明無味無臭でとてもサッパリしています。続いてオリンピック風呂に向かいます。脱衣所は広く棚とカゴが並ぶとてもシンプルなものです。浴室へのドアは自動ドアになっていて、中に入ると横に細長い浴室でびっくりします。とても細長〜い湯舟が渓谷沿いのガラス窓側にあり、内壁側には洗い場がズラリと並んでいます。湯舟そのものは特に小細工などはありませんでしたが、とにかく長いです。幅が1メートル、長さが25メートルあるそうです。端が湯けむりで霞んでしまうほどで、とても不思議なつくりをしています。オリンピックのプールでもイメージしているのでしょうかね。なるべく多くの方が、湯舟に浸かりながら窓の外の景色を見えるように工夫したとのことですが、これは単純だけどなかなかインパクトがありますね。一番奥の窓からは外に湯の滝が見えました。それから湯舟にはアスベストのような白いフワフワとした浮遊物が沢山舞っていました。湯の華のようですね。幸いほとんど貸切状態でしたが、とにかくのんびりと湯に浸かることができ、また景色も堪能できてとても満足できました。
掲載: 2007/04/08
Data
- 所在地:山形県米沢市白布温泉
- 源泉名:白布高湯1号源泉
- 入浴 :2005年11月
- 泉質 :含石膏硫化水素泉
- 泉温 :源泉61.0度
- PH :6.8
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :健康増進、疲労回復、諸病回復期、神経痛など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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