福島県
あつしおおんせん・やまがたや
熱塩温泉・山形屋
一流の田舎を謳い文句に風情たっぷりの宿
熱塩温泉は喜多方市から山形県米沢市方面に向かってクルマで15分ほど、熱塩加納村にある小さな温泉街です。山間にある静かな温泉地なのですが、いくつかの旅館が軒を並べていて、素朴ながらも人気のある温泉地です。温泉の歴史も古く、示現寺を再建した源翁禅師というお坊さんがアカザの杖を突き刺して温泉を湧出させたとの伝説があることから、およそ600年ほどの時を刻んできているそうです。山形屋は、「一流の田舎」をキャッチフレーズにしている大きな温泉旅館です。鉄筋の大きな建物で、ロビーも広々していて「一流の田舎」とは、とても大それた表現ですよね。浴場は3階にありました。脱衣所には棚にカゴが並び、これといって目新しいものはありませんが、洗面台には整髪料やローション、ティッシュなど揃っていて、アメニティグッズも充実しています。浴場は内湯と露天風呂がありました。まず内湯は入ると目の前のちょっと不思議な光景に驚きます。壁側には洗い場が並び、目の前には大きな湯舟があります。ところがこの湯舟は丸太の杭で囲まれた造りになっていて、ちょっと変わった雰囲気の湯舟になっていました。田んぼの畦道(あぜみち)を補強する杭のようなイメージで、趣きがあります。また、浴室内は木造の天井が低く、少々圧迫感もありますが、木造の洞窟という雰囲気がまた異質に感じました。なるほど、「田舎」の印象を受けながらも、どこか普通の田舎とは違ったこだわりを湯舟にも感じました。湯舟はとても広いのですが、脛(すね)の中程ぐらいの浅いところと適度な深さのところとがあります。湯はちょっと熱めなので、半身浴をしながら長湯するのもいいかもしれませんね。湯舟の湯は薄くウグイス色に濁っていました。また、湯口には飲泉用に升も用意されていました。さっそく飲んでみると薄い塩味を感じます。お吸い物にちょうどいいぐらいの味で、アサリやハマグリなどの具を入れて煮たら美味しそうです。浴室が蒸していることと塩分を含んだ温泉であることから、体が温まりとてもよく汗がでます。露天風呂は小さな扉から出ます。内湯に比べとても小ぢんまりとした岩風呂で、こちらの湯は内湯と違って無色透明です。露天は循環式なのだそうですが、ずいぶんと印象が違うものですね。しかしながら湯を舐めてみるとホンノリとそしてしっかりと塩味もついています。露天は高台になっているので、ちょっとした田舎風景も眺めることができますが、それほど見ごたえのある景色でもないです。内湯よりはぬる目になっているので、外気を浴びながらのんびりと浸かるのもいいでしょう。
掲載: 2007/04/14
Data
- 所在地:福島県麻耶郡熱塩加納村熱塩温泉
- 入浴 :2005年11月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
- 泉温 :源泉63.6度
- 湧出量:毎分170リットル
- PH :6.5
- 蒸発残留物:11270mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、リウマチ、筋肉痛、肩こり、腰痛、婦人病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 鄙び度:☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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