福島県
まくがわおんせん・みとやりょかん
幕川温泉・水戸屋旅館
樹齢800年の檜をくり抜いたダイナミックな露天風呂
幕川温泉は土湯温泉の西、磐梯吾妻スカイラインに近い山の中にある秘湯です。秘湯といいながらも旅館は二件あり、こちらの水戸屋旅館は「日本秘湯を守る会」の会員になっている宿です。国道115号線からは、磐梯吾妻スカイラインに向かう県道に入り、スカイライン入口の近くの山道へと入っていきます。とても辺鄙な場所に建つ宿ですが、辿り着くととっても立派な宿だったのにはびっくりしました。ここは宿泊だけでなく日帰りでの入浴も受け付けていて、登山帰りのハイカーも多く立ち寄るようです。浴場は、館内の一番奥に男女別の浴室があります。内湯は広々としていて掛け湯、ひのき風呂、岩風呂がありました。それなりに湧出量があるようで、温泉はすべて掛け流しにされ、豪快に溢れて床一面に流れていました。湯舟の湯は白濁していて透明度は50〜60センチぐらいあります。よく見ると白い粉のような湯の華が漂っていました。素朴ながらも、個性的なお湯でとても好感が持てます。露天風呂は内湯のすぐ脇にあり、岩風呂になっていました。それほど大きいものではありませんが、太陽の陽を浴びながらの入浴は開放感があって気持ちいいものです。館内にはこの浴場の他に混浴の露天風呂もあります。こちらは建物の2階の奥にあります。木造の脱衣所は男女別になっていますが、とても簡易的なものです。脱衣場から出ると、大きな円形の湯舟が2つくっついて瓢箪のような形をした湯舟があります。その円形の湯舟は樹齢800年のヒノキをくり貫いて作ったのだそうです。これは見た目にもインパクトのある湯舟ですね。湯舟の上にはしっかりとした大きな屋根があり、露天風呂の周囲にはベンチなどもあります。ゆっくりと寛ぎながら露天風呂を満喫できそうです。湯は白濁しているので入ってしまえばあまり気になりませんが、どうしても混浴は苦手という人も多いはず。そんな混浴に抵抗のある人は、女性専用タイムも設定しているようなので、それを活用してもいいでしょう。それから館内の浴場の他にも建物の裏、駐車場の奥に「さえりの湯」という簡易的な露天風呂があります。内湯からは繋がっていませんので、一度玄関を出てから裏手に廻ります。板塀に囲まれた簡易的な脱衣所ありますが、脱衣所は男女の区別もなく、湯舟も混浴です。湯舟は岩風呂ですが、これがまたとても野趣溢れた素朴なもので、雰囲気は格別です。湯舟のすぐ脇には小川も流れていてまさしく野湯に浸かっている雰囲気です。この露天風呂の湯は内湯に比べかなり濁っていて、10センチくらいの透明度でした。温泉は、硫化水素の臭いがプンプンと漂い、浴後も体中から匂ってくるほど濃厚なものでした。幸い秋晴れのよい気候に恵まれ、青空を眺めながらの入浴となりましたが、とにかく開放的で気持ちがよかったです。
掲載: 2007/04/15
Data
- 所在地:福島県福島市土湯温泉町幕川温泉
- 源泉名:(1)幕川5号泉 (2)幕川2号泉
- 入浴 :2005年11月
- 泉質 :(1)単純温泉 (2)硫黄泉
- 泉温 :(1)源泉84.2度 (2)源泉80.5度
- PH :(1)6.52 (2)7.8
- 蒸発残留物:(1)86.1mg/kg (2)310.5mg/kg
- 形態 :温泉旅館 (内湯)男女別 (露天)混浴
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり(さえりの湯は男女区別無し)
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 野趣度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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