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長崎県

おばまおんせん・なみのゆ「あかね」

小浜温泉・波の湯「茜」

目の前は海、堤防に作られたワイルドな露天風呂
小浜温泉は橘湾に臨む海岸沿いの温泉街です。奈良時代に書かれた肥前風土記にも記載があることから、とても古くから存在する温泉だということがわかります。その後、温泉地として開発されるまでは、満潮になると海に沈んでしまう海岸だったために、土地の農民が馬の足を洗ったり、岩間から湧き出る湯に足をひたして疲れを癒したり傷や病を治す程度にしか利用されていなかったそうです。現在の温泉街は埋立地のようで、いにしえの人々の苦労が伺えます。「波の湯 茜」は、雲仙西登山口の交差点近くの海岸にある温泉施設です。海岸というよりは堤防にあるといった方がいいでしょう。国道から海岸に入ると堤防の一部分だけ木の板で囲まれているところがあります。そこには「海上露天風呂」と大きく書かれていました。しかしそこに温泉施設らしき建物は見当たらず、見た目は堤防に板の壁があるだけです。その手前には番台小屋があり、入浴の受付はそこで行うようです。料金を払うと、堤防の板の一角にある扉から中に入ります。中に入るというよりは、むしろ外に出るといった感覚です。扉の奥にはコンクリートの階段があり、その下の左右に露天風呂があるようで、男女別の入口がありました。脱衣所は護岸に続くコンクリートで囲われていて、中には棚とカゴがあるだけのとても質素なものです。ところが、そこから一歩外へ出ると思わず「おおっ」と声を出してしまいそうな光景を目にすることになります。なんと本当に堤防に湯舟があるんです。堤防のすぐ外側、テトラポットを目の前にして、湯舟が作られていました。堤防とテトラポットの隙間というロケーションは、普通ならば釣り人ぐらいしか立ち入ることはないでしょう。見た目の景色は、背後に堤防、目の前はテトラポット、そして広がる海、まさに堤防で釣りでもしているようなロケーションです。テトラポットに打ち寄せられる波の音がポチャポチャと、不思議なBGMになっていました。湯舟は予想外に広くて10名以上は入れそうです。壁にはシャワーなどもついていますが、ここではシャンプーや石鹸の使用は禁止です。というのも廃湯はそのまま海に流れるからです。ほとんど無色透明の湯は隅の木箱の湯口から注がれています。かなり熱湯に近い温度の湯が注がれているので、湯の表面部分がちょっと熱かったですが、かき回すと何とも適温でした。湯を舐めてみるとまろやかな塩味を感じます。浴感はサラッとしたさっぱり系です。それにしても目の前は広大な海、囲われた板壁から外を覗くと、すぐ近くの堤防では釣りをしている人もチラホラいます。その人たちとほぼ同じロケーションで温泉に浸かれるなんて何とも不思議な感覚でした。ちなみに夕陽は正面の海に沈むのだそうです。夕刻にはまさに「茜色」に染まった空と海を眺めながらの入浴になりそうです。
掲載: 2007/05/19
Data
  1. 所在地:長崎県雲仙市小浜町
  2. 入浴 :2005年12月
  3. 泉質 :ナトリウム-塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
  4. 形態 :露天風呂 男女別
  5. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩など
  6. 脱衣所:あり
  7. 開放度:☆☆☆☆☆
  8. 清潔度:☆☆
  9. 気軽度:☆☆☆☆
  10. 異色度:☆☆☆☆☆
  11. 人気度:☆☆☆☆
  12. 景色 :☆☆☆☆☆
  13. 総合評価:☆☆☆☆☆