鹿児島県
ふきあげおんせん・しんゆおんせん
吹上温泉・新湯温泉
素朴さも情緒をかきたてる、歴史ある名湯
薩摩半島の中ほど西側、吹上浜近くにある吹上温泉は、とても歴史の古い温泉地です。かつては伊作温泉と呼ばれていて、天正2年(1574)には島津の殿様も入浴したと記録が残っているほどです。また明治維新の政治家、西郷隆盛も湯治に訪れていたそうです。現在ではそれほど派手な温泉街ではないものの、いくつかの旅館が点在して、素朴な雰囲気の静養型の温泉地となっています。新湯温泉は、その吹上温泉街の一角にある温泉施設です。旅館ではあるものの、駐車場は広く、日帰り入浴施設としても人気があり、家族湯と大浴場とがありました。浴場入口と書かれた通路を突き進んでいくと、受付のあるフロアがあります。受付の前には男湯、そして女湯の暖簾が揺れています。脱衣所は板張りでけっこう広いです。木製のロッカーが並んでいますが、鍵はついていないタイプでした。一角にはコインロッカーもありますが、数はとても少ないです。脱衣所の半分はイスの並んだ休憩エリアにもなっています。脱衣所は全体的に広いので、一息つくのにもちょうどいい感じです。浴場はタイル張りになっています。左側と右側中ほどに洗い場が並び、右側手前にはサウナと水風呂、そして湯舟は奥にあります。洗い場は水と湯のカランがありますが、シャワーがついているものと、ついていないタイプがあります。洗い場にボディソープとリンスインシャンプーなどは用意されていないので、各自持ち込んで利用していす。湯舟は大きな湯舟と小さな湯舟の2つあります。大きい方には湯口があり、小さい方へ流れていくので小さい方はやや温度が低くなっていました。湯口はパイプから湯が注がれているのですが、脇には飲泉用にコップが用意されていました。口に含んでみると、薄く硫黄っぽい風味が感じられました。ちなみに湯舟の湯は緑色っぽく色づいています。一見するとタイルの色が影響してそう見えているのかとも思いましたが、実際に湯の色のようです。浮遊している黒いものは湯の華だと壁に説明があります。よく見ると何かの灰というか炭というか、細かな黒いススのようなものが沢山舞っています。底の方には髪の毛にからまって固まりになっているものもありました。得体の知れない汚らわしさを感じますが、貼紙のおかけで温泉の一部だと考えると我慢ができるものです。わりと熱めの湯舟でしたが、微妙にツルツルする肌触りと微かな硫黄臭が何とも気持ちよかったです。
掲載: 2007/07/21
Data
- 所在地:鹿児島県日置市吹上町湯之浦
- 入浴 :2005年12月
- 泉質 :単純硫黄泉
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :(浴用)慢性関節リュウマチ、慢性筋肉リュウマチ、神経痛など
(飲用)常習便秘、慢性関節リュウマチ、痛風、糖尿病など - 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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