鹿児島県
しんとそおんせん
新とそ温泉
絶景の浴場の中にプールがある温泉銭湯
かつては島津藩の城下町として栄えた鹿児島市は、市内に源泉が200以上もあるという温泉の宝庫としても有名な街です。街中のあちらこちらに多種多様な温泉銭湯があり、地元の方々の日常の湯としてのみならず、観光客にも人気のある一大温泉地となっています。新とそ温泉は郡元駅近くの高台にある温泉銭湯です。密集した住宅街の中にある施設ですが、案内の看板も要所要所にあるので、ほぼ迷わずに辿り着くことができるでしょう。ところが右へ左へと路地に入るにしたがって道がどんどんと急な坂道になってきます。ここら辺に住んでいる人たちは大変だろうなと余計なことを考えつつも、のぼりきると広い駐車場が現れました。その崖際には立派な三角屋根の建物があり、まるで峠のドライブインのような雰囲気の立地です。館内に入るとロビーと受付があり、受付の左右に男湯、女湯の入り口がありました。脱衣所は扉付きの木造棚が並びます。鍵は壊れてしまったのか全て取り払われていました。たまに扉のない棚もあり、そんなところが庶民的でローカルな味を感じます。一角には貴重品用にコインロッカーも用意されていました。洗面台にはドライヤーがありますが、こちらは有料になっていました。浴室に入ると正面には洗い場があり、右側には大きなガラス窓際に湯舟、そして左側にはプールがあります。思わず「えっ?プール?」とびっくりしてしまいますが、まさしくプールです。ちょっと浅いようですが、これなら子供も大喜びですね。大人だってはしゃいでしまいそうです。プールは小さな浮き輪はOKですが、ボールなどその他は使用禁止になっていました。温泉施設にプールが併設されているのはありますが、浴室内にプールがあるというのはとても唐突で斬新ですよね。もちろん水着ではなく裸で泳ぐプールになります。プールの奥には遠赤外線サウナと中ぐらいの湯舟、そして水風呂がありました。洗い場はカランと固定シャワーがある一般の銭湯スタイルです。石鹸などは用意されていません。そして窓側の湯舟は寝湯、リラックス湯、気泡風呂、電気風呂などがあり、とても広々としています。それから驚くのはプールだけではありません。もうひとつの自慢は窓から眺められるその景色です。急な坂道を登った先の断崖にあるわけですから、眺めが悪いはずはありません。目の前には大都市、鹿児島の街並みが広がっています。そして正面には錦江湾が広がり、そこには鹿児島の象徴である桜島が構えています。大型ホテルの最上階にある展望浴場のような雰囲気で、これは本当にポイント高いです。この立地なら夜景もばっちりではないでしょうか。こんな景色を眺めながら入る温泉は、ほとんど無色透明ですが肌がツルツルとする気持ちいい湯です。壁には岩で装飾された湯口があり、飲泉カップが用意されているので飲泉も可能なようです。さっそく飲んでみるとマロヤカに塩味を感じました。それらが湯舟からどんどん溢れ出ているので、掛け流しになっているようです。湯量がとても多いのでしょうね。プールでもぬるいですがツルツルする感覚があるので温泉が使われているようです。非常に素朴ながらも個性的で素晴らしい温泉施設でした。
掲載: 2007/09/22
Data
- 所在地:鹿児島県鹿児島市唐湊
- 入浴 :2006年1月
- 泉質 :塩化物泉
- 泉温 :源泉46.8度
- PH :7.8
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛・筋肉痛・冷え症・疲労回復など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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