大分県
ながゆおんせん・ながのゆ
長湯温泉・ながの湯
真っ赤に染まった濃厚な温泉
ながの湯は、長湯の温泉街からは少し離れた山の小さな集落にある共同湯です。辺りには田畑の広がる田園地帯で、ポツンと寂しく佇んでいました。木造の小さな建物ですが、古さはまったく感じられず、比較的新しい施設なのかもしれません。浴場は、男湯と女湯、そして家族風呂が3つあり、正面には受付があります。受付には番人がいないことも多いようで、その場合には料金箱に各自が入浴料を入れて利用するようです。脱衣所はコインロッカーとかご、そしてベンチしかなく、およそ三畳半ぐらいの広さしかありません。地方の共同湯らしく、非常にシンプルな設備となっています。アルミサッシの扉を開けるとすぐに浴場があります。コンクリートの床に湯舟がひとつというこれまたとても質素でシンプルなものです。こういった施設なのにボディソープとリンスインシャンプーが用意されていたのには驚きました。窓ガラスは大きめで、裏山が眺められます。それにしてもこの佇まいは只者ではありません。10名近く入れそうな湯舟へは、脇の太いパイプからジョロジョロと大量に湯が注がれ、そのまま溢れて掛け流されています。床や湯舟はおそらく飾り気の無い無垢なコンクリートのものだったのだろうけど、温泉の成分により赤茶色に染まっていました。注がれた湯はほとんど無色透明に見えますが、湯舟の湯は薄い鶯色で、透明度も30センチほどです。自然のままというか、ただ注がれて、ただ流れていきます。湯はジョロジョロと注がれていますが、たまに間歇泉のようにブォコォッと音をたてたりしています。飲泉もできるということで、さっそく飲んでみましたが、錆びた鉄のような薄い味がありました。壁には水道の蛇口が3つあるだけで、体を洗い流すならば湯舟の湯を使います。ただし浴槽に石鹸などが入らないように注意しましょう。それにしても、非常にシンプルながらも、とても特徴的な湯、そして佇まいのために、根強いファンがいるようです。こんな共同湯がもし、自宅の近くにあったのならば、きっと常連客になっていることでしょう。
掲載: 2008/01/20
Data
- 所在地:大分県竹田市直入町長湯
- 源泉名:長野湯
- 入浴 :2006年1月
- 泉質 :マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
- 泉温 :源泉42度
- 形態 :共同湯 男女別・家族風呂
- 効能 :(浴用)神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
(飲用)慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病など - 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆
- 鄙び度:
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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