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福島県

ふたまたおんせん・だいまるあすなろそう

二岐温泉・大丸あすなろ荘

自然豊かでダイナミックな湯治場
大丸あすなろ荘は、平安中期の安和2年(969)に開湯したという二岐渓谷沿いにある日本秘湯を守る会の宿です。純和風の旅館なのですが、モダンで品格のある一流の温泉宿です。テレビや雑誌でもしょっちゅう取り上げられるなど、とても人気の高い宿として有名です。今回は悪天候の平日に訪れましたが、それでも日帰り入浴客や湯治客が何人もいました。旅館の入口は紅葉の回廊のようになっていて、風情あっていいムードです。玄関は3階に位置し浴場は1階にあるのでエレベータで降りていきます。館内には男女別の内湯がありますが、その他にも渓谷沿いの露天風呂や、混浴の岩風呂など、敷地内に浴場が点在しています。まずは内湯の大浴場に入りました。こちらは内湯と小さめの露天風呂からなります。石タイルの床に大きなガラス張りの壁、岩の湯口と内湯ながらも落ち着いた感じがまたいいですね。外の露天風呂は小さめですが岩風呂になっています。湯舟の外側は崖になっていて、その下には源泉岩風呂の浴舎や渓谷が見えました。続いて外の露天風呂に行ってみます。こちらは大浴場のすぐ奥の出入口からサンダルに履き替えてから向かいます。子宝露天風呂と渓流露天風呂があり、時間帯によって男女が入れ替わるので要注意です。今回は渓流露天風呂へと入りました。宿の建物からちょっと歩くとすぐに脱衣所が見えてきます。とても簡素な造りで、中に入ると棚に籠が並んでいるだけで、そのすぐ先には露天風呂が広がります。湯舟は手前と奥の二ヶ所あって奥の湯舟はとてもぬるかったです。ほんとすぐ脇に渓谷が流れ、ワイルドさは満点です。渓谷のちょっと奥には小さな滝も見え、風情を盛り上げていました。このときは生憎の雨模様で、川は濁流になっていましたが、それでも渓谷の美しさとダイナミックさは健在で、とても気分よく利用できました。源泉岩風呂は宿の建物と露天風呂の中間ぐらいにあります。木造の湯小屋になっていてこちらは混浴となっています。脱衣所も共用のものがひとつだけです。中に入るとこれがまた驚くほど渋い光景です。天井の高い木造小屋の中は裸電球がひとつだけあり、天井のスリッドからは光が射し込むのですが、とても薄暗いです。そして大きめの湯舟があるのですがそれは大きな一枚の凸凹した岩から直接湯が湧いているのです。湯は壁からもチョロチョロと注がれていますが、底の岩の割れ目からどんどん湧き出し、大量に溢れ出ているようです。時折、ポコポコと気泡が出ていました。東北にある昔ながらの湯治場の雰囲気です。生まれたての温泉にそのまま入れるなんて、とても贅沢ですよね。底はもともと川底だったのか。甌穴のような穴が所々にありました。ちなみにこの湯舟は享保13年(1728)に造られたものなのだそうです。歴史の重みも感じるような気がします。湯はほとんど無色透明ですが、柔らかくて肌がツルツルになります。お湯も環境もサービスも素晴らしく、人気の温泉宿だということに納得するのでした。
掲載: 2008/03/09
Data
  1. 所在地:福島県岩瀬郡天栄村二岐温泉
  2. 源泉名:二岐温泉(4、5、6、12号泉)、その他(岩風呂・子宝風呂)
  3. 入浴 :2006年9月
  4. 泉質 :単純温泉(二岐温泉)、カルシウム−硫酸塩泉(その他)
  5. 泉温 :源泉45.4度(二岐温泉)
  6. 湧出量:毎分147.9リットル(二岐温泉)
  7. PH :7.0(二岐温泉)
  8. 蒸発残留物:67.61mg/kg
  9. 形態 :温泉旅館 男女別・混浴(女性タイムあり)
  10. 効能 :慢性関節リウマチ、慢性筋肉リウマチ、痛風、神経痛などなど
  11. 露天風呂:あり
  12. 開放度:☆☆☆
  13. 清潔度:☆☆☆
  14. 気軽度:☆☆
  15. 秘湯度:☆☆☆
  16. 異色度:☆☆☆
  17. 人気度:☆☆☆☆
  18. 景色 :☆☆☆☆
  19. 総合評価:☆☆☆☆