茨城県
ちょうじゃがやつおんせん・やまだや
長者ヶ谷津温泉・山田屋
古代の長者伝説が語り継がれる温泉
茨城交通湊線金上駅から徒歩10分ほど、県道沿いに看板があるのですぐわかりますが、そこから少し奥へと入ったところにある素朴な鉱泉宿が長者ヶ谷津温泉です。開湯は嘉永5年(1852)という、ちょっと歴史のある鉱泉宿です。クリスタルパレスという大きな施設のちょうど裏手にあたります。県道から脇道に入っていくとすぐに大きく立派な建物が見えてきますが、これはデイケア施設で温泉はそのさらに裏手にあります。砂利道を奥まで進むと看板があるのですが、一見したところ単なる民家のようです。思わず間違えたかと引き返しそうになりましたが、よく見るとこの裏に温泉があると書いてあります。すぐに民家の人が出てきたのでそこで入浴の料金を払って裏手に向かいました。すると公園の公衆トイレのような印象のコンクリートの建物があり(失礼!)、扉に男湯、女湯の表示がありました。扉を開けるとそこはすぐに脱衣所です。ゴザタイル敷きで洗面台が2つ、そして棚とイスと小ぢんまりしながらもとても綺麗なものでした。鄙びた薄汚いものを想像していましたが、まったく逆でとても綺麗で清潔的でした。浴室は内湯のみですが、けっこう広めでスッキリとしています。薄いグリーンの十和田石のタイルが、固くなった砂の上を歩いているみたいでとても心地いいです。壁はオレンジ色というか赤茶色の模様の入った石タイルで、遺跡の中にいるような印象も受けました。手すりが脱衣所から浴室まで整っているのは、さすがデイケア併設の温泉という感じです。洗い場は3つで、固形石鹸とシャンプーが用意してありました。湯舟はその反対側にあるのですが、洗い場と湯舟の間がすごく広いのが気になります。湯舟は横2.5メートルほどの長方形で、ちょっと無機質なイメージがあります。湯は沸かし湯なので汲み出さないでと脱衣所に注意書きがありました。湯は水道水のように無色透明でサラサラとしているのですが、少々ツルツル感もありました。ただ、浴室いっぱいに充満するほど、塩素系の消毒臭がキツイのが難点です。源泉は硫化水素型だということなので、もうちょっと源泉の名残が欲しいところですね。それにしても非常に目立たないところにある穴場的な存在のようで、日曜の昼間だというのに先客がひとりいただけで貸切状態でのんびりと利用することができました。谷間の奥にひっそりと建っているだけに、本当に静かで、風で木々がざわざわと揺れる音とボイラーの音しか聞こえず、非常にのんびりとしたムードがありました。
掲載: 2008/03/23
Data
- 所在地:茨城県ひたちなか市大平
- 入浴 :2006年11月
- 泉質 :単純硫化水素泉(緊張低張性冷鉱泉)
- 泉温 :源泉21.5度
- 湧出量:毎分1.58リットル
- PH :7.2
- 蒸発残留物:880mg/kg
- 形態 :鉱泉旅館 男女別
- 効能 :慢性関節リウマチ、神経痛、神経炎、糖尿病、慢性皮膚病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆
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