群馬県
しまおんせん・きょうどうよくじょう「ごむそうのゆ」
四万温泉・共同浴場「御夢想の湯」
四万温泉発祥の地とされる霊験あらたかな湯
中之条から国道353号線を四万川沿いに北上していくと、谷間に大きな温泉街が見えてきます。いくつもの旅館やホテルが建ち並ぶ温泉街ですが、山間にある温泉街ということもあり、歓楽街的な要素はすくない静養向きの温泉街となっています。四万温泉は永延三年(989)頃に碓井貞光が夢のお告げによって発見したという伝説があります。その発祥の地として古くから伝わる共同湯が「御夢想の湯」です。四万温泉街の一番奥、日向見薬師堂の目の前にある外湯です。古くからある外湯ですが、近年建替えられたようで小規模ですが木造の立派な建物になっていた。以前訪れたときには鉄筋のボロ屋で、本当に質素な雰囲気だったのですが、観光客を意識したような立派な造りになっていました。また、日向見薬師堂と御夢想の湯の間には屋根付きの立派な足湯も用意されていました。唐破風の入口は、右側が女湯、左側が男湯になっていました。扉を開けると玄関がありますが、気配を察知して自動的に照明がつきます。管理人は常駐していないので、自動制御になっているのですね。館内はまだ真新しさがあり、床も壁も天井も木目の鮮やかな板張りで、温もりを感じる造りになっていました。短い廊下の先に脱衣スペースがあり、その下は浴室になっています。脱衣スペースは棚が4つあるだけの質素なもので、少し掘り下がったところに湯舟があります。湯舟は大人が2〜3名ほどでいっぱいの小さなものですが、黒い大きな石をくり貫いたような重厚感のあるものでした。大きなガラス窓があり、そこからすぐ脇を流れる小川が見えました。窓が大きいのでとても明るく、造りや雰囲気もいいので、どこかの老舗の和風旅館の浴室のような印象を受けました。湯舟の傍らには木の溝の湯の注ぎ口があり、無色透明の湯がトロトロと掛け流されています。とても透明感のある湯で、完全な掛け流しになっているので、溢れた湯が床を流れていました。湯口には飲泉用にコップも用意されています。飲んでみますが、ほとんど無味無臭で、単にお湯を飲んでいる感じです。湯は少々熱めですが、しっとりとしつつ湯あがりはさっぱりとする、軽い感じの湯でした。けっこう湯温が高いので、露天風呂があってもいいような気もしますが、管理のことを考えると大変なのかもしれませんね。朝から夜まで利用時間は決められていますが、誰でも自由に無料で利用できるので、くれぐれもマナーを守って気持ちよく利用するようにしましょう。
掲載: 2008/04/29
Data
- 所在地:群馬県中之条町四万
- 源泉名:湯の泉の湯、山鳥の湯
- 入浴 :2007年3月
- 泉質 :カルシウム・ナトリウム−硫酸塩温泉(アルカリ性低張性高温泉)
- 泉温 :源泉47度
- PH :8.6
- 蒸発残留物:1.09g/kg
- 形態 :共同湯 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:なし
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆
- 鄙び度:
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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