茨城県
ひらがたこうおんせん・さかなのやどまるみつ
平潟港温泉・魚の宿まるみつ
美味しい魚を食べて浴室でも和室にいるようにくつろごう
北茨城、平潟港にはいくつかの温泉宿が建つ、平潟港温泉街が形成されています。平潟港は新鮮な魚介類があがる漁港で、アンコウやメヒカリなど四季を通じて旬の美味しい海の幸を味わうことの出来るグルメの街なのです。平潟港温泉の歴史は浅く、昭和61年(1986)に掘り出されたばかりのニューフェイスです。グルメの街に温泉という付加価値が追加されたことにより、より活気付いた街へと変貌していったようです。魚の宿「まるみつ」は、天然温泉と、旬の魚を楽しめる贅沢な宿として人気のある温泉旅館です。館内には天然温泉の大浴場と海藻を使った露天風呂がありました。まずは館内の4階にある露天風呂へと向かいます。こちらは天然温泉ではありませんが、海藻を使用した郷土風呂が味わえます。多くのミネラル成分を含んでいるんだそうで、漁師が凍えた体を温めるためによく入っていたのだそうです。浴場は脱衣所を出るといきなり露天風呂です。露天ですが、洗い場にはボディソープやリンスインシャンプーも揃い、屋根が無いだけで内湯と同等の設備が整っています。壁で囲われていて景色こそは望めませんが、植物なども植えられ雰囲気は決して悪くありません。湯舟はビールのような黄色い色をしています。やや塩素臭が強くて、残念ながら海藻の風味は感じませんが、湯口の真下には袋詰めされた海藻が沈められていて、天然の成分であることは間違いないようです。なるほど、体が内側から温まるような気がして、いつまでもポカポカとしていました。1階の浴場は天然温泉を使用したものです。「和室風呂」と「御影・十和田石風呂」の二種類の内湯があり、時間帯によって男女が交替するシステムになっていました。御影・十和田石風呂は、その名の通り石造りの浴室です。壁や洗い場、湯舟の縁などは赤系の御影石がふんだんに使われています。そして床や湯舟の底は、薄緑色の十和田石が使われていました。十和田石はサラサラとした肌触りが心地よい凝灰石で、高級感を感じますね。湯はほとんど無色透明の湯ですが、しっとりと、そしてツルツルとした浴感のある湯です。舐めてみると海水を薄くしたような塩味を感じます。湯は体全体をコーティングしたかのような、しっとりとした肌をつくってくれるようで、肌荒れに非常に効果があるようです。実際にカサカサしていた肌が、浴後はしっとりとしていて一晩中潤っていました。さて、一方の和室風呂は一風変わった珍しい浴場です。浴室のレイアウトはほぼ同じですが、こちらは床が畳敷きになっているのです。一瞬目を疑いますが本当なのです。そしてさらに驚くことに、一角にはちゃぶ台に湯呑みと急須、黒電話と小説が何冊か用意されていました。黒電話は飾りで使えませんが、湯呑みはそのまま利用でき、小説も耐水性のあるものでした。ガリバー旅行記や羅生門、人間失格、草枕、古事記物語など名作を取り揃えていて、実際に読みながら入浴することができます。ものすごい演出ですよね。もちろん畳は濡れても大丈夫な仕様ですが、とにかく歩き心地は抜群です。寝そべっても気持ちいいのですが、寝込んで風邪をひかないように気をつけましょう。温泉に浸かった後は美味しい海の幸に舌鼓を打ち、贅沢なひとときを味わうことができるくつろぎの宿でした。
掲載: 2008/05/11
Data
- 所在地:茨城県北茨城市平潟町
- 源泉名:五浦元湯温泉
- 入浴 :2007年4月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム−塩化物泉
(高張性−弱アルカリ性−高温泉)
(旧泉質名 含塩化土類−食塩泉) - 泉温 :源泉63.4度
- 湧出量:毎分323リットル
- 掘削深度:880メートル
- PH :7.79
- 蒸発残留物:13.49g/kg
- 形態 :温泉割烹旅館 男女別
- 効能 :一般適応症
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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