福島県
ぬまじりおんせん・ばんだいぬまじりこうげんろっじ
沼尻温泉・磐梯沼尻高原ロッジ
湯治場のような素朴な佇まいと天然温泉かけ流しの風呂
沼尻温泉は沼尻高原にある素朴な温泉街です。スキーのメッカとしても知られ、またトレッキングなどのアウトドア派にも人気で、四季を通じて楽しめる観光地となっています。温泉の歴史は古く宝暦元年(1751)に開湯したようです。当初は源泉にほど近い、もっと山の上流にあったようですが、現在では引き湯して今の場所に温泉街が形成されています。「沼尻高原ロッヂ」は沼尻スキー場の目の前に建つロッヂで、まさに「山小屋」って感じの木造ロッヂです。浴場は館内の1階奥にあります。男女別の扉を開けると、洗面台のある部屋があり、その奥に脱衣所があります。素朴な棚があるだけで、質素で小ぢんまりとした脱衣所です。加水、加熱、循環、消毒は行っていないとの貼り紙があり、期待しながら浴場へと向かいます。浴場に入るとすぐ脇には段になって滝のように流れる湯口と、半円形の湯舟があります。外壁側には洗い場がありました。湯の注ぎ口はクリーム色をした鍾乳石のような段になっていて、その上部の穴からモコモコと湧き出るように湯が注がれます。飲泉用のコップも用意されているので、さっそく飲んでみましたが、これがまたレモンを生で齧 っているかのようにとてもスッパイのです。湯はほとんど無色透明ですが、これはなかなか強烈なインパクトです。確かにスッパイような臭いもしますし、けっこう酸性の強い湯のようです。わりと高温の湯ですが、半分は木製の樋 を流れて排出され、湯舟にはその半分しか入りません。湯舟に注がれる湯量を調節して温度を調節しているようです。加水していない分、うまく工夫されているようです。湯舟の湯はごくごく微妙に濁っているような気もしますが、ほとんど無色透明です。上澄み部分が熱くなっていましたが、掻き混ぜるとちょうどいい温度になりました。サラサラっとして、また微妙にツルッとした浴感のある湯です。わりと軽い感じの湯だったのですが、しばらく浸かっていると、体中の傷という傷がジンジンと痛くなってきました。生傷や擦り傷があるようだと、かなり沁 みるようです。それだけ酸度が強いってことですよね。湯舟の湯は、そのまま溢れて排水されていました。また、浴室の奥には露天風呂もあります。こちらはわりと広めね湯舟で、この湯舟もジャンジャンと湯が掛け流されていました。露天風呂はスキー場とは反対側に作られているので、静かな山の景色が眺められます。特別にいい景色というわけではありませんが、とにかくのんびりと浸かることができました。
掲載: 2008/05/17
Data
- 所在地:福島県耶麻郡猪苗代町蚕養字沼尻山甲
- 源泉名:沼尻元湯
- 入浴 :2007年5月
- 泉質 :酸性−カルシウム・アルミニウム−硫酸塩・塩化物温泉
(酸性低張性高温泉) - 泉温 :源泉71.8度
- 湧出量:毎分10,000リットル 自然湧出
- PH :1.9
- 蒸発残留物:3092mg/kg
- 形態 :温泉ロッジ 男女別
- 効能 :慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、神経痛、筋肉痛、関節痛など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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