福島県
にしくぼおんせん・かめやりょかん
西久保温泉・亀屋旅館
のんびりとゆったりと飾らないけど普通がいい
猪苗代湖の北岸、国道49号線から県道に入ってすぐの場所にある温泉旅館が西久保温泉「亀屋」です。国道を野口英世記念館方面から来ると、山の手前に宿と看板が見えるので、とてもわかりやすいです。民家の庭先に入っていくような素朴な温泉宿といった雰囲気で、派手さはまったくありませんが、静かにときを過ごすことができそうな宿です。旅館前の庭は駐車場になっていますが、中央には鯉が優雅に泳ぐ池もあり、片田舎ののんびりとした風情も漂います。パンフレットによると西久保温泉は江戸時代から続く名湯なのだそうで、一軒宿ですが老舗の温泉として親しまれているようです。浴場は廊下の先、建物の裏側にあります。廊下には温泉分析表なども掲げられています。脱衣所は棚にカゴがあるだけの、非常に簡素なものです。内湯はタイル張りの浴室ですが、壁は大理石タイル、湯舟の縁は御影石タイルなど、それなりに高級感を出していてとても落ち着いた雰囲気の浴室となっていました。外壁側には大きなガラス窓がありますが、曇りガラスになっているので外の景色は見えません。外光が射し込むので、飾り気のないシンプルな浴室ながらも明るい雰囲気がありました。湯は無色透明、ほとんど無味無臭で、あまり特色らしきものは感じません。温泉分析表によると単純硫黄泉ということですが、湯舟ではほとんどそれを感じ取ることはできませんでした。角の湯口からは湯がトロトロと注がれていて、浴槽内には吸い取り口が見えないので、一見すると掛け流しなのかと感じますが、湯舟から溢れ出る湯の量は少ないようです。よくよく見てみると湯口から突き出て底へと延びている筒から、吸い込まれて循環されているようでした。源泉は高温ではないが30度以上はあり、湧出量も極端に少ないわけではないので、もうちょっと循環の割合を減らして、お湯の特徴を残してくれてもいいのではないかと感じました。周囲は観光地やレジャースポットも多いので、行楽の拠点として静かに過ごすのにはいいところだと思います。
掲載: 2008/05/17
Data
- 所在地:福島県耶麻郡猪苗代町字草湯戸
- 入浴 :2007年5月
- 泉質 :単純硫化水素泉(緊張性低張冷鉱泉)
- 泉温 :源泉31.8度
- 湧出量:毎分95リットル
- PH :7.2
- 蒸発残留物:423.2mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :リウマチ性疾患、慢性金属中毒症、糖尿病、慢性皮膚疾患など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆
- 鄙び度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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