東京都
つるのゆおんせん・たんげどう
鶴の湯温泉・丹下堂
ダム湖の底から湧き出る、復活した幻の名湯
丹下堂は、国道411号線沿い、奥多摩湖畔にある日帰り温泉施設です。日帰り温泉施設といっても、一見すると単なる小さな食堂です。看板には大きく「日帰り温泉」の文字がありますが、食堂がメインの施設のようです。カーブの途中、トンネル入り口のすぐ脇にあるので、うっかりしていると通り過ぎてしまいますが、とても目立つので気づかないことはないでしょう。鶴の湯温泉は、かつて温泉地として賑わった歴史もあるそうですが、東京都民の水源確保のためにダムを造り、そして奥多摩湖の下に村ごと沈んでしまいました。その後湖底にある源泉を復活させて、今では近くの民宿や旅館で使用されているそうです。浴室は食堂のすぐ奥にあります。浴室はひとつしかないのかと最初思いましたが、男性用が1階で、2階に女性用があるようです。浴場の前にはコイン返却式のロッカーも用意されていました。脱衣所に入ると、中には棚がちょこっとと、奥に洗面台に2基あるだけの、シンプルでちょっと狭い感じのものです。他に入浴客がいなかったので問題はありませんが、数人でいっぱいになりそうです。浴室は内湯のみで、湯舟がひとつあるだけでした。景色のいい湖畔に建つ施設ですが、浴室は山側にあり残念ながら眺望はまったく期待できません。むしろ、陰になっているので薄暗く感じるほどで、ちょっと残念です。洗い場は3つあり、ボディソープやシャンプーも用意されていました。全体的には小ぢんまりとした地味な印象ですが、湯舟はわりとゆったり目に作られています。角の湯口からジャンジャン注がれていますが、湯舟からはまったく溢れる気配はなく、循環されているようです。加熱と消毒も行われているとの表示もありました。湯はほとんど無色透明ですが、微妙に白濁しているようにも感じます。体をサッと流して湯舟に浸かると、これが意外にもツルツルとした気持ちいい浴感に包まれます。ほとんど無味無臭で、見た目にも特徴はありませんが、これはプラス要素ですね。内湯ということもあり、しばらくすると茹ってきて汗だくになってきます。わりと温熱効果もあるのかもしれません。ドライブの途中や、ハイキングついでに立ち寄るには、適当な施設だと思いました。ちなみに、湖畔中ほどの国道脇に鶴の湯の源泉があり常にチョロチョロと源泉が流されているのですが、手にとるだけでツルツルが味わえ、さらに硫化水素の臭いがプンプンとするのに驚きます。口に含んでみても硫黄泉のようなツンとくる独特の香りが口の中に広がりました。湯舟の湯は、タンクローリーで運ばれ、循環利用されているので仕方はありませんが、それだけ温泉が劣化しているのですね。
掲載: 2008/07/27
Data
- 所在地:東京都西多摩郡奥多摩町原
- 入浴 :2007年6月
- 泉質 :単純硫黄温泉(低張性・アルカリ性・低温泉)
- 泉温 :源泉30.2度
- 湧出量:毎分370リットル
- PH : 9.68
- 蒸発残留物:0.272g/kg
- 形態 :食堂併設の温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、五十肩、運動麻痺、関節痛、うちみなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆☆
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